カテゴリー別アーカイブ: 病気の説明

夏風邪の「ヘルパンギーナ」と「手足口病」が流行しています。

こんにちは。
たくゆう耳鼻咽喉科クリニックの院長 黒田です。


ようやく夏らしい天気になってきたと思っていたら、猛暑が続いています。
子供達は運動会も終わり、もうすぐ始める夏休みを楽しみにしているでしょうか。
大人も、そろそろお盆の帰省の予定などを考えていらっしゃるのではないでしょうか。

苫小牧では、もうすぐ「樽前山神社例大祭」「第62回港まつり」が始まります。

晴天のもとで、花火もお祭りも楽しみたいですね。
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さて、6月から始まっていたイネ科の雑草の花粉症ですが、まだまだ続いています。
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                         (北海道立衛生研究所のHPより)
 
イネ科の雑草は、夏にたくさんの花粉を飛ばすので、アレルギーの3症状(鼻水、鼻づまり、くしゃみ)に加えて、目のかゆみを感じる場合も多いです。
当院で検査を受けて、「カモガヤ」のアレルギーと判明済みの皆さんは、自分の症状がアレルギーだと分かっていたので、早目に治療を開始して、ほとんど症状を感じずに快適に過ごせたのではないかと思います。
「カモガヤ」をはじめとしたイネ科の雑草は、7月いっぱい飛散して、8月は一旦収束します。そして9月に入ると、もう一度飛散しますので、秋にも症状が出るかもしれません。初夏(6~7月)と秋(9月)にはイネ科の雑草アレルギーの可能性がある、と覚えておくと良いでしょう。春と秋の季節の変わり目には、いつも鼻の調子が悪くなる、という方は、実は「イネ科の雑草アレルギー」かもしれません。
 
下の写真は、イネ科の「カモガヤ」です。牧草地帯で無くても、住宅街の道端や公園に、沢山生えていると思います。自宅や職場の周りにたくさん生えている場合には、注意が必要です。雑草処理のために一気に刈り取った後には、花粉も一気に飛散します。
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この時期に鼻症状や目のかゆみが出るようであれば、一度耳鼻咽喉科専門医に相談の上、アレルギーの検査をして、しっかりと診断病名をつけて治療したほうが良いかもしれません。
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さて、感染症の状況ですが、昨年から季節を問わずに一年中「溶連菌感染症」に伴う扁桃炎や咽頭炎が続いています。のどの痛みと発熱のある方は、単なる風邪では無くて溶連菌感染症の可能性があります。「市販薬や風邪薬で様子を見ても治らない」という方は、耳鼻咽喉科専門医の受診をお勧め致します。
 
さらに、夏の到来とともに、今度は「夏風邪」が流行っており、当院でも受診者が増えています。
夏風邪と言えば、「ヘルパンギーナ」「手足口病」「咽頭結膜熱」の3つが有名です。ヘルパンギーナは、主にコクサッキーA型ウイルスによる感染症ですが、その他のウイルスが原因となることがあります。麻疹や風疹、水痘とは異なり、一度罹患しても何度でも繰り返することがあります(原因ウイルスが複数存在するために、終生免疫を得るのが難しいからです)。多くは「38-39℃の高熱」と「のどの痛み」が主な症状です。
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ヘルパンギーナについて、少し解説させていただきます。
下の写真の様に口蓋垂(のどちんこ)の周りに水疱(すいほう)を認めることで、診断されます。
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 大人や、子供でもしっかり口を開けてくれる場合には、このようにはっきりと確認できます。
 
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これは別の患者さんです。扁桃炎だと思うとのことで来院されましたが、扁桃には異常が無く、ヘルパンギーナの診断となりました。扁桃に近い場所の病変なので、自覚症状だけでは区別が難しいですね。

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乳児だと、十分に症状を訴えることも出来ず、口を開けてくれないので、分かりにくいこともあります。しかし、しっかり開口すると、口蓋垂の周りに粘膜疹があるのが分かります。

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幼児だと、のどが痛いと訴えてくれる場合もありますが、発熱と食欲低下のみで症状がはっきりしないこともあります。
 
「手足口病」でも同様の所見が見られますが、手足口病ではその名の通りに手や足などの全身に皮疹が出ることが特徴です。「ヘルパンギーナ」と診断されても、後になってから手足に皮疹が出てきたために、「手足口病」と診断名が変わることも少なくありません。
 
どちらも抗生物質は無効で、特効薬というのはありませんが、高熱があれば座薬や内服薬などでの解熱を行い、十分に水分を摂取して、安静にすることが大事です。発熱は3日程度で落ち着くことが多いので、心配はありません。また、感染を防ぐためには、手洗いやうがいをこまめに行うことが重要です。

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学校保健安全法で定められている学校感染症には3種類あり、出席停止の決まりがあります。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
○第1種(エボラ出血熱や、鳥インフルエンザ、など) 
 第一種の感染症にかかった者は、治癒するまで。

○第2種(インフルエンザ、流行性耳下腺炎、麻疹、風疹、水痘、など)
 それぞれ定められた出席停止期間。ただし、病状により、学校医その他の医師において感染の恐れがないと認めたときはその限りではない。

○第3種(溶連菌感染症、手足口病、ヘルパンギーナ、マイコプラズマ感染症、など)
 病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めるまで。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
第3種に属する「溶連菌感染症」「手足口病」「ヘルパンギーナ」の場合、「感染の恐れが無い」と認められるのは、いつなのでしょう?

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「溶連菌感染症」は、適切な抗生剤での治療開始後24時間が経過した時点ですので、医療機関を受診した当日と翌日は、登園・登校を控えましょう。
 
「手足口病」「ヘルパンギーナ」の場合、適切な治療と行っても特効薬が無く、ウイルス感染症が自然治癒するのを待つだけです。一つの判断基準として、「発熱や咽頭・口腔の水疱を伴う急性期は出席停止、治癒期は全身状態が改善すれば登校可」というものが示されています。但し、原因となっているウイルスは、1ヶ月近く感染力を持っていることもありますが、現実的にはこれらの病気で1ヶ月も休むことはあり得ません。ウイルスの感染力は持っているけれども、全身状態が良好なので出席している子供がいて、園内・学校内で感染が広がってしまうのが実情です。
 
保育所や幼稚園で流行することが多く、罹患した子供が家庭内でさらに感染を広げることも多いです。診断を受けた場合には、マスクをつけて、更なる感染を広げない様にしましょう。特に小さな乳幼児が家庭にいる場合には、お兄ちゃん・お姉ちゃんから感染をもらわない様に、保護者の方が注意することが必要です(風邪症状のある子供には、手洗い・うがい・マスク装用をさせましょう)。

これらの夏風邪は、大人ではあまり見られませんが、罹患した子供さんのいる家庭では、免疫力の低下した大人にうつることもあります。ヘルパンギーナの子供さんを看病したお父さん・お母さんや、ご高齢の方、免疫力を低下させる薬剤(ステロイドなど)を内服中の方は、要注意ですね。
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夏風邪症状でお困りの際にも、専門的知識をもった耳鼻咽喉科専門医へご相談ください。
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【平成29年の春の花粉症の情報です】

こんにちは。
たくゆう耳鼻咽喉科クリニックの黒田です。
 
気温が上がり、雪解けも進んで、春の到来を感じるようになってきました。卒業や進学、転居や転職など、身の回りの環境も変わることが多く、何かと体調を崩しやすい季節です。
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A型インフルエンザはいまだに収束しておらず、一方で、春先に見られるB型インフルエンザの患者さんもいません。溶連菌による発熱・咽頭痛も、通常は冬場には収束するのですが、現在も尚、途切れなく流行しています。
 
  
さて、当院で春の花粉症と診断されている患者さんが、少しずつ来院されるようになっています。
「鼻水」「鼻づまり」「くしゃみ」「鼻のかゆみ」「目のかゆみ」が主な症状です。
苫小牧の花粉症の状況について、簡単にご説明させて頂きます。
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花粉の飛散情報は、道立衛生研究所のHPを見ると、札幌の状況が確認できます。残念ながら、苫小牧の情報は無いので、札幌の情報を参考にするしかありません。
例年、3月には花粉の飛散が始まるのですが、3/24現在、既に「ハンノキ」の花粉飛散が始まっております。
4月からの「シラカンバ」はまだ飛散していないのですが、花粉症の患者さんは、花粉飛散開始の情報よりも早く、鼻や目の症状が出ることがあります。花粉症の方は、周囲に飛散している極微量の花粉や粉塵などで反応して、鼻や目の症状が出ているのかもしれません。

それでは、春の花粉症について、少し詳しく解説させて頂きます。
 
まず、3月下旬から飛散が始まる「ハンノキ」の花粉症です。既にピークを迎えているようで、一気に飛散量が増えています。既に検査を受けて、「ハンノキ花粉症」と分かっている方は、この時期に発症することをご存知なので、既に治療を開始されています。
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    (道立衛生研究所のHPより)



そして、これに続いて4月中旬から始まる「シラカバ」の花粉症ですが、さすがにまだ飛散はしていません。
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但し、今年は例年に比べて、飛散量が少ないという予想が多いです。
以下は日本気象協会のHPからの引用です。
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(日本気象協会のHPより)
昨シーズンと比較して、50-70%と少なめが予想されています。

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ここ数年の平均と比較すると、飛散量は50%以下と、非常に少ないと予想されています。


あくまで予想ですので、実際の飛散量がどのようになるかは不明ですが、今年は花粉症の症状があまり出ないという方がいらっしゃるかもしれません。
また、前述の通り、花粉に飛散量の多い少ないに関係なく、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみが出る方もいますので、例年通りの治療が必要な方も相当にいると思います。
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以前は、薬の効果が出てくるまでに日数がかかるため、花粉症のシーズンが始まる前から内服治療を開始することを推奨されていた時代がありました。
しかし、現在は即効性に優れた薬がたくさん開発されたため、発症後に内服し始めても、十分に効果が得られるようになりました。
いずれにしても、自分の体の特徴・体質を知っておくことが大事です。
「この時期のこの症状は、花粉症だな」と理解しておくと、わずかな鼻症状であっても、何が原因なのかを何となく予想できますので、早目に正しい治療を受けられます。花粉症の時期は、風邪と思い込まずに、アレルギーの可能性を考えて治療することが重要です。
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花粉症のときには、気道の過敏性が亢進して咳も出やすく、「アトピー咳嗽」と言われるような一度始まるとなかなか止まらない咳を合併することもあります。そして、鼻水が多くなると後鼻漏も増えるため、鼻汁による咳を伴って、さらに症状は悪化することがあります。
「後鼻漏(こうびろう)による咳」については、過去のブログをご参照下さい。
bnr-blog ←こちらをクリックしてみて下さい。

「鼻かぜでは無く花粉症かも」、「のどの風邪ではなく、花粉症に伴う咳かも」と考えてみても良いかもしれません。
咳がなかなか止まらない場合には、耳鼻咽喉科専門医でアレルギーの検査を受けていただき、結果によっては、咳止めを処方してもらうのではなく、アレルギーの治療を開始することで、大きく改善することもあります。
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また、小児の場合には、鼻水が出る状態が長く続くと「中耳炎」を合併することが多いため、しっかりと耳垢を取り除いて鼓膜を確認することが重要です。
中耳炎は軽症であれば薬を飲むことで改善しますが、重症化してしまうと、激しい耳痛、発熱、耳だれが出ることがあり、場合によっては鼓膜切開が必要になることがあります。
小さな子供は、耳の不快感があっても保護者に訴えることが出来ず、理由が無いのに機嫌が悪かったり、風邪薬を飲んでも熱がなかなか下がらない、といった兆候しか無いこともあります。
「鼻水が出ているし、もしかしたら中耳炎になっていないかな?」と考えてあげることが大事です。

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そして、小児、成人を問わず、「鼻水が続いているのでアレルギー」と決めつけずに副鼻腔炎の有無を調べることも重要です。
小児の場合、アレルギー性鼻炎患者の約50%が副鼻腔に異常があり、逆に副鼻腔炎患者の25~75%にアレルギー性鼻炎が認められると言われています。
色のついた粘り気のある鼻水が出たり、頬や眉間、目と目の間(鼻のつけ根辺り)に痛みや重苦しさがあれば、副鼻腔炎の可能性が高いと言えます。

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また、アレルギー性鼻炎が疑われる際には、鼻炎の薬でその場しのぎをするのでは無く、しっかりと検査をして確定診断をつけることが重要です。
当院では、花粉症を含めた成人用アレルギー検査の他に、小児の就学前アレルギー検査や、アナフィラキシーの危険がある食物アレルギーに対する「エピペン®」の処方も受け付けておりますので、遠慮なく御相談ください。
現在、小学校入学前のアレルギー検査を希望する方が、たくさん来院されています。小学校へ提出する書類への記載も行っておりますので、遠慮無く御相談下さい。入学前のアレルギー検査は、3月までに行うことをお勧めいたします。
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【耳鼻科の感染症の出席停止日数】

こんにちは。
院長の黒田です。
 
昨年お伝えいたしましたが、やはり今シーズンは『A型のインフルエンザ』が流行しました。
2月末には一旦収束の気配を見せていたのですが、3月に入って、再び流行の兆しを見せています。
幼稚園や小学校では学級閉鎖になっている所もあり、職場内で流行している所もあるようです。

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・『インフルエンザ』は、これからの時期、「A型」から「B型」に流行が変わる可能性があり、まだまだ注意が必要です。
・『流行性耳下腺炎(おたふく風邪)』も相変わらず罹患者がいる印象です。こちらは、大人・子供を問わずに、受診される方がいらっしゃいます。 
・『溶連菌による咽頭炎』も、幼稚園児・小学生を中心に、依然として流行しています。
 
医療機関を受診して、検査を受けて、病名診断がついて、いよいよ治療が始まります。
では、どれぐらいの日数、自宅療養が必要なのでしょう?
幼稚園児は? 小学校は? 中学生は? 高校生は? 大人は?
 
実は、今回紹介する3つの疾患は、出席停止・出勤停止に必要な日数が異なります。
これらについて、簡単に説明をさせて頂きます。

 
(1) 大人
 
【インフルエンザ】、【流行性耳下腺炎(おたふく風邪)】、【溶連菌感染症】に共通することですが、大人に関しては、法律での決まりはありません。
極端なことを言うと、インフルエンザと診断されたにもかかわらず出勤したからといって、法律上の罰則はありません。

が、しかし、、、
常識的に考えて、罹患(りかん)したままで出勤すれば、職場全体に感染症が蔓延し、業務に支障が出てしまいます。よって、他人にインフルエンザをうつさないための対策が必要になります。薬を飲んで、マスクをしたからといって、他人への感染を完全に防ぐことはできません。やはり、マナーとして出勤停止が好ましいと思われます。
 
これらの感染症の可能性があると判断された場合には、まずは職場の上司に連絡して判断を仰ぐのが良いでしょう。その上で、職場で定められている「就業規則」に従って、出勤停止をするのが良いでしょう
 
「就業規則」に定めがなく、会社でも判断ができないと言われた場合には、どうしたら良いのでしょう?。その場合は、以下に示す、子供に対する出席停止期間を参考に、職場と相談するのが良いと思います

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(2) 子供
 
今度は、子供の「登園・登校停止」の期間について、ご説明いたします。
ここで言う子供とは、何歳までのことを言うのでしょう?
出席停止日数に関しては、「学校保健安全法」で規定されています。
この法律を見てみると、、、

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
学校保健安全法第2条  この法律において「学校」とは、学校教育法(昭和 22 年法律第 26 号)第 1 条に規定する学校をいう。この法律において「児童生徒等」とは、学校に在学する幼児、児童、生徒又は学生をいう。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
学校教育法第1条 この法律で、学校とは、幼稚園、小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学及び高等専門学校とする
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

となっており、
幼稚園児~高専・大学生までは、学校保健安全法に従って出席停止をしなければなりません。
保育園児は規定されていませんが、幼稚園児に準じて考えて良いと思います。
 

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それでは、それぞれの疾患別にご説明を進めていきます。


① 【インフルエンザ】

出席停止日数は、以前に、当院のブログで詳しく解説をしております。
ご参照頂けると幸いです(お勧めです)。
http://www.taku-jibi.jp/blog/2013/11/

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保育園・幼稚園発症した後5日を経過し、かつ解熱した後3日を経過するまで
小学校以上  :発症した後5日を経過し、かつ解熱した後2日を経過するまで

※ 発熱してインフルエンザと診断されて、1日ですぐに解熱して元気になった場合でも、発症後5日を経過しなければ、出席できません。
 

 

② 【流行性耳下腺炎(おたふく風邪)】

耳下腺、顎下腺又は舌下腺の腫脹が発現した後5日を経過し、かつ、全身状態が良好になるまで」です。
幼児から大学生まで、年齢は関係ありません。
 
かつては、「耳下腺の腫脹が無くなるまで」でしたが、インフルエンザと同様に、平成24年4月に変更となりました「腫れがひいてから、、、」ではなく、「腫れが始まってから、、、」ですので、間違えないようにして下さい
 
※ 発症後5日程度で感染力が弱まりますが、腫れが長期間にわたる場合もあるので、5日経過しても、全身状態が良好になるまで(発熱や腫れがなくなるまで)は、感染の可能性があるので、出席停止となります。
※ 耳下腺(耳の下)の腫れが引いても、顎下腺(顎の下)が腫れていれば、全身状態が良好とは言えませんので、出席停止です。

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③ 【溶連菌感染症】

病気の特徴については、以前にこちらで詳しく解説しています。
「38度近い高い熱」、「咽頭痛」、などがありましたら、非常に怪しいです。
以下をご参照頂けると幸いです(お勧めです)。
https://www.facebook.com/takuyujibiinnkouka/posts/1176239185758728   
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溶連菌感染症は、インフルエンザや、流行性耳下腺のような出席停止を義務づける法律はありません。これは、手足口病や、ヘルパンギーナと同じです(以下をご参照下さい)。
http://www.taku-jibi.jp/blog/518/
 

学校保健安全法で定められている学校感染症には、以下の3種類があります。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
○第1種(エボラ出血熱や、鳥インフルエンザ、など) 
 第一種の感染症にかかつた者については、治癒するまで。

○第2種(インフルエンザ、流行性耳下腺炎、麻疹、風疹、水痘、など)
 それぞれ定められた出席停止期間。ただし、病状により、学校医その他の医師において感染の恐れがないと認めたときはその限りではない。

○第3種(溶連菌感染症、手足口病、ヘルパンギーナ、マイコプラズマ感染症、など)
 病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めるまで。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

では、第3種に属する「溶連菌感染症」の場合、「感染の恐れが無い」と認められるのは、いつなのでしょう?
 
溶連菌の感染力は、適正な治療を行っていない場合には、長く持続して、くしゃみや咳などで飛沫感染を起こします。しかし、適正な抗生剤治療を開始して24時間を経過すると、感染力はかなり低下します。よって現実的には、「適正な抗生剤治療開始後24時間を経て、かつ全身状態が良好であれば登校可能」となることが多いです。

つまり、無症状であっても、医療機関受診当日と、翌日は登校を控える必要があります
※ 「全身状態が良好」とは、発熱も、咽頭痛も、咳も無く、無症状のことを指します。
※ もちろん、全身状態が良好であっても、担当医から指示された期間は、抗生剤を飲み続けなければなりません。


以上です。
どの疾患も、しっかりと休むべき期間を守って、そしてまた元気になってから、登園・登校するようにしましょう。
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インフルエンザ、耳下腺炎、溶連菌感染症などは、専門知識をもった耳鼻咽喉科専門医の受診をお勧めいたします。
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【めまいの眼振(がんしん)とは?】

こんにちは。
院長の黒田です。
 
お正月があけて、仕事に、家事に、勉強に、忙しい毎日かと思います。
 
さて、1月の外来診療が始まってまだ間もないのですが、A型インフルエンザとともに、溶連菌感染症が相変わらず多いです。
どちらも高熱が出るのですが、激しいのどの痛みがある場合には、インフルエンザでは無く溶連菌のことが多い印象です。
今は子供達が冬休みなので、感染もあまり広がっていませんが、1月後半に新学期が始まると、両者とも爆発的に広がる可能性があります。受験生のいるご家庭では、特に気をつけてください。
 
また、年末年始、特にこの時期には「眩暈(めまい)」でお困りの方が、増えてきます。
帰省してきたお孫さんの相手をして、疲労困憊のおじいいちゃん・おばあちゃんや、家庭の行事や旅行などで、体に負担のかかった人、いつも通りの生活をしていただけなのに突然の眩暈に襲われる人、人によって本当に様々です。
 
さて、みなさんは、眩暈(めまい)が起きたら、どうしますか?
 
・内科に行きますか?
・脳神経外科に行きますか?
・かかりつけの病院に相談しますか?
・それとも、耳鼻咽喉科へ行きますか?

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眩暈には、ぐるぐる回るような「回転性眩暈」もあれば、フワフワと浮かぶような「浮動性眩暈」もあります。
頭の位置や、体の位置を変えたときに起きる眩暈もあります。
色々な頭痛をきっかけに起きる眩暈もあります(拍動性頭痛、締め付けられるような頭痛、目の前に光る物が見える頭痛、など)。
難聴や耳鳴りなど、耳の症状を伴う眩暈もあります。
激しい眩暈では、嘔気・嘔吐を伴います。



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「手足の痺れ」や、「ろれつが回らない」、「頭が割れそうな激しい頭痛」、などを伴っていれば、まずは「脳神経外科」を受診して、脳に異常がないかを確認してもらうことが大事です。
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脳に異常が無ければ、たいていの眩暈は「耳」が原因です(勿論、他の原因の事もあります)。
耳の奥には「三半規管(さんはんきかん)」というバランスをとる装置があり、ここの機能異常が生じると、眩暈を感じます。
その多くは、頭の位置・体の位置を変えた時に生じる「頭位性眩暈(とういせいめまい)」です。
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・寝返りをうった時からの眩暈
・棚の上のものを取ろうとして顔を上げた際の眩暈
・就寝中にトイレに行こうとして体を起こした時の眩暈

などでは、三半規管が原因の「頭位性眩暈」の可能性が高いと言えるでしょう。

 

眩暈が生じた際には、医療機関を受診すると思いますが、
「とりあえず眩暈止めを処方するので、耳鼻科へ行くように」とか、
「応急処置で眩暈止めの点滴をするけれども、眩暈は耳鼻科へ行くように」
「頭の画像検査では異常が無いので、あとは耳鼻科へ行ってください」
と言われることがあるかもしれません。

なぜ「眩暈は耳鼻科へ」なのでしょう。
それには理由があります。
耳鼻科には、眩暈専用の検査機器があるからです。

三半規管が原因の眩暈では、「眼振(がんしん)」という、眼球の横揺れや回転が生じることが多いのですが、これを見つける機器が「フレンツェル眼鏡」というものです。
耳鼻咽喉科専門医は、この「フレンツェル眼鏡」を使って、眩暈の診断を行っています。

単なる疲労、貧血、低血圧、高血圧、低血糖、肩こり、寝不足、自律神経失調症の「めまい感」、などでは、この眼振は生じません。なので、「真のめまい」なのか、「めまい感」なのか、を判定するのに有用なのです。
眼振を伴う「真のめまい」あった場合、内耳の三半規管が原因か、脳が原因か、だいたいこの両者に絞り込まれます。さらに、眼振の強さや方向などをもとに、耳鼻咽喉科専門医はどこに原因があるかを推測します。
眩暈の検査では、眼振の有無を見ることが不可欠なのです。
 
もし、眼振を伴う眩暈があり、しかも「脳」が原因と思われる場合には、脳神経外科へご紹介いたします。脳が原因の眩暈では、早期発見・早期治療がなされないと、重篤な後遺症を残したり、生命予後に影響することもあります。繰り返しになりますが、「手足の麻痺」、「ろれつが回らない」、「猛烈な頭痛」、などの症状があれば、耳鼻科よりも脳神経外科の受診を優先していただいた方が良いと思います。
  

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最後に、当院のホームページでは、実際の「眼振」を見ていただくことが出来ます。
Googleなどで「がんしん」「動画」と検索しても、当院ホームページの動画が上位で見つかると思います。
お時間がありましたら、ご参照ください。
 

 HPのスクリーンコピー2 
ホームページの「めまいでお困りの方」をクリック
 

 めまいでお困りの方2 
「CCDフレンツェル眼鏡」をクリック
 

 HP CCDFr.2  
「設備の説明」をクリック
 

  眼振YouTube2 
          「You Tube再生ボタン」をクリック

インフルエンザによる出席停止期間について

こんにちは。
たくゆう耳鼻咽喉科クリニックの黒田です。

インフルエンザの予防接種は、もうお済みでしょうか。
以前にもお知らせ致しましたが、12月初めまでには最後の接種を済ませておくことをお勧め致します。詳しくは、前号のブログをご参照下さい。

北海道では、既にインフルエンザによる学級閉鎖も出ております
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20131107-OYT1T00285.htm

前号に引き続き、インフルエンザに関する情報をお伝えしたいと思います。

【かぜとインフルエンザの違い】

普通のかぜは1年を通してみられますが、インフルエンザは季節性を示し、日本では例年11~12月頃に流行が始まり、1~3月にピークを迎えます。

かぜの多くは、発症後の経過がゆるやかで、発熱も軽度(多くは37℃台)であり、くしゃみやのどの痛み、鼻水・鼻づまりなどの症状が主にみられます。

これに対し、インフルエンザは高熱(多くは38℃以上)を伴って急激に発症し、全身倦怠感、食欲不振などの全身症状が強く現れます。関節痛、筋肉痛、頭痛も現れます。また、インフルエンザは、肺炎や脳炎(インフルエンザ脳炎)などを合併して重症化することがあります。

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【インフルエンザの迅速検査】

鼻の奥から粘液をぬぐい取り、迅速検査キットにて10分程度で結果が判明します。

検査で陽性と出た場合、インフルエンザと断定してほぼ間違いはありません。しかし、陰性と出た場合、インフルエンザであることもインフルエンザ でないこともあり得ます。特に発病後1日以内は検査の感度が低いため、インフルエンザであるのに検査では陰性となる可能性があります(これを偽陰性 と言います)。
早期発見・早期治療が原則で、発症後48時間以内の治療が有効なのですが、あまりにも早期の検査の場合には正しい結果が出ないことがあるのです。

1回検査をして陰性と判定されても、翌日以降の再検査で陽性と判定されることもあります。症状が続く際には、再度ご相談いただくことをお勧め致します。

当院では、出来るだけ感度が良く、また短時間で結果が判明する検査キットを採用しております。


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【インフルエンザに罹患した際の出席停止期間】

平成24年4月2日に、文部科学省より「学校保健安全法施行規則の一部を改正する省令の施行について」の通知が出され、インフルエンザ等の出席停止の期間の基準が改正され、出席停止期間が延長されました。
解熱した後もインフルエンザウィルスは排出され続けており、他の人に感染する危険性があるためです。
以前までの基準(解熱後2日)では、幼稚園や学校には登校できませんので、ご注意下さい。

(学校保健安全法施行規則 第19条 )

出席停止の期間の基準は、次のとおりとする。
インフルエンザ(鳥インフルエンザ(H五N一)及び新型インフルエンザ等感染症を除く)にあって
は、発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあつては、3日)を経過するまで

http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/1319523.htm
 

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インフルエンザによる発熱期間が短いほど、登園・登校しても良い日も早くなるということが、お分かりいただけたかと思います。

また、小さなお子さんのいるご家庭では、家族内での感染を予防する意味で、お子さんを含めてご家族で予防接種を受けられた方が良いと思われます。

予防接種の効果が最大になるまでに約1ヶ月を要することを考慮すると、12月初めまでの接種をお勧め致します。12月末までは、予約無しで来院していただいてもワクチンの接種が可能です。

但し、年明け1月以降の予防接種については、予防効果の見地から考えると有効性に疑問があるため、当院では原則として行わない予定です。ワクチンの在庫に余裕がある場合には、1月に限り、完全予約制にて行うことも検討しております。詳しくは窓口、または電話にてお問い合わせをお願い致します。

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長引く夜間に強い咳でお困りの方へ

こんにちは。
たくゆう耳鼻咽喉科クリニックの黒田です。

本日は、長びく夜間に強い咳のお話です。

・熱も無いし、のども痛くないけれども、咳だけがなかなか治らない。
・昼間は何ともないけれど、夜になると咳がひどくなる。
・病院から咳止めをもらっているし、胸のレントゲンも聴診音も異常がないのに咳が続く。

そんな経験はないでしょうか。

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咳がある時には咳止めの薬を長く飲んでいれば、いずれは治るのでしょうか。
私はそうは思いません。
長びく咳に、脳へ直接作用する中枢性咳止めを漫然と使用することは、症状が良くならないだけではなく、原因が分からなくなるため、場合によってはやめた方が良いかもしれません。
(麻薬の「リン酸コデイン」、 非麻薬の「アストミン」、「メジコン」、「アスベリン」など)

咳の原因にも色々な種類があり、その原因に応じた治療をしなければ、咳止めを内服しても症状の改善は期待できません。一つの例として、以前に「後鼻漏による咳」をご紹介いたしました。いくら咳止めを使用しても、鼻の治療をしなければ治らない咳です(詳細については、過去の記事をご参照ください)。

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胸の検査を受けても異常が無く、のどに炎症も無い、後鼻漏も無いのに咳が続く場合は、どのように考えたらよいのでしょうか。

長びく咳の原因疾患には以下のようなものが考えられます。

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上記の4. 5. 6.が、鼻炎や副鼻腔炎が関連した咳です。
今回は頻度の高い、2.「咳喘息」と3.「アトピー咳嗽」についてご説明いたします。

日本における慢性咳嗽(3週間以上の咳)の3大原因は、
咳喘息
アトピー咳嗽
副鼻腔気管支症候群
です。

上記とよく似た言葉で 『気管支喘息』 がありますが、こちらは、
1)    気管支の粘膜が腫れて、その周囲の筋肉も収縮して、空気の通り道が狭くなる病気。
2)    突然に「ヒューヒュー」「ピーピー」「ゼイゼイ」とする息苦しさや咳が出る病気。
(これを「喘鳴(ぜんめい・ぜいめい)」と言います)
3)    薬で改善することが多いですが、重症の場合には入院が必要になることがあります。
4)    「ヒューヒュー」「ゼイゼイ」と喘鳴があって苦しい場合には、小児科や内科を急いで受診されることを強くお勧めいたします。

今回は、「咳喘息」と「アトピー咳嗽」の症状や治療について、分かりやすくご説明していきたいと思います。

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【咳喘息】

 喘鳴や呼吸困難を伴わず、症状は乾いた咳のみです。夜間(特に就寝時、夜中から早朝、起床時など)に多く、温度差のある空気を吸い込んだ時にも生じます。

 発生原因はまだ明らかではありませんが、気管支の周りの筋肉に軽度の収縮が起こり、筋肉内の神経を通じて脳の咳中枢が刺激され、その結果として咳が出ると考えられています。したがって、気管支の筋肉の収縮を改善する気管支拡張剤が有効です。

 咳喘息の簡易診断基準ですが、
(1) 喘鳴を伴わない咳が、3週間以上持続。病院で聴診をしても喘鳴がない。
(2) 気管支拡張剤が有効
です。
つまり、気管支喘息とは診断されなくても、気管支拡張薬がよく効くのです。

 治療ですが、
軽症: 気管支拡張薬のみ、又はロイコトリエン拮抗薬の併用で咳嗽が消失。
中等症: 吸入ステロイド薬の併用で咳嗽が消失。
重症: 経口ステロイド薬の併用で咳嗽が消失。
難治性:上記の治療でも咳嗽が消失しない場合。
(重症と難治性は専門医の診療が必要です)。

咳喘息の30%は、数年の内に典型的喘息を発症しますが、長期吸入ステロイド療法は
これを予防する効果があります

※    咳喘息は、短期間で治療を中断してしまうと再発しやすい傾向があり、2~3ヶ月間の吸入ステロイド薬による治療が必要です。

※    咳喘息は気道のアレルギー反応と末端の気道の閉塞が特徴的な病気です。そこで、気道のアレルギー反応を抑える吸入ステロイド薬と気道の閉塞を抑える気管支拡張薬が、一度に吸入することのできる「合剤」があります(最後にご紹介いたします)。

【アトピー咳嗽】

 1989年に日本から提唱された疾患概念で、乾いた咳が出ます。夜間(特に就寝時、夜中から早朝、起床時など)に多く、温度差のある空気を吸い込んだ時にも生じます。気管支拡張薬が無効で、ヒスタミンH1-拮抗(きっこう)薬とステロイド薬が有効です。

「アトピー素因」とは、アレルギー性疾患の既往歴がある、家族にアレルギー疾患の方がいるなど、アレルギー疾患を発症する可能性のある素因、という意味です。気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎のいずれかの既往がある方は、これに該当します。

 気管や気管支に好酸球というアレルギー細胞が関連した炎症が生じ、これらの表面の知覚神経が過敏になり、咳感受性が亢進して咳が出ます。咳喘息でも同様の病態は生じますが、アトピー咳嗽では末梢気道(内径が2mm未満の細い気管支)には生じないのが違いです。

 アトピー咳嗽の簡易診断基準ですが、
(1)    喘鳴や呼吸困難を伴わない乾性咳嗽が3週間以上継続
(2)    気管支拡張薬が無効
(3)    アトピー素因を示唆する所見や、痰に好酸球(アレルギー細胞)の増加がある
(4)    ヒスタミンH1拮抗薬 又は/及び ステロイド薬で咳発作が消失
です。
咳喘息とアトピー咳嗽は、区別するのが難しい場合もあります。気管支拡張薬が無効でヒスタミンH1拮抗薬やステロイド薬で改善することが、診断の決め手になることもあります。これを診断的治療と言います。

※アトピー咳嗽が気管支喘息に移行することは、原則としてありません。よって、症状が軽快した場合、咳喘息では長期吸入ステロイド療法が推奨されますが、アトピー咳嗽では治療を終了します。

以上、長びく咳について、私なりにまとめると、以下の図のようになります。
長びく咳があれば、まずは内科の先生の診察を受けて、胸のレントゲンや聴診で異常がないことを確認してもらうことが重要です。肺結核やマイコプラズマ肺炎、COPDなどの肺疾患がないことが確認されたのに、咳が長引いているときは、以下の様に考えることができます。

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疾患別の治療薬は以下の通りです。

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http://www.3nai.jp/weblog/entry/27953.html
(金沢大学呼吸器内科ホームページより)

 では、咳が長引いて夜も眠れないような場合、気管支拡張剤だけを使って様子見となるのでしょうか。
 それが「咳喘息」だった場合には症状は改善するでしょうが、もしも「アトピー咳嗽」だった場合には、症状の改善は期待できません。次回の受診日まで症状の改善がない可能性があることから、実際の診療の際には、咳の状態やアトピー素因の有無などにより、ロイコトリエン拮抗薬やステロイド吸入剤なども一緒に処方することがあります。アレルギー性鼻炎の患者さんは、ヒスタミンH1拮抗薬とロイコトリエン拮抗薬を同時に処方することもあります。

【長引く咳の治療に使う薬(例)】

(1)気管支拡張薬

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ホクナリンテープ

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ベラチン

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セレベント

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メプチン

(2)ロイコトリエン拮抗薬
ロイコトリエンという気管支収縮や分泌物(痰)の増加作用を有する物資の作用を阻害する薬で、気管支拡張作用と気道炎症抑制作用を有する薬です。アレルギー性鼻炎合併喘息や運動誘発性喘息、アスピリン喘息に有効な薬です。

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キプレス

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オノン 

(3)ヒスタミンH1拮抗(きっこう)薬
(3)ヒスタミンH1拮抗(きっこう)薬
いわゆるアレルギー用の内服薬です。
咳が主訴で、鼻の症状は無いのになぜ鼻炎薬を処方されるのが疑問の方もいらっしゃる方もいるかもしれません。しかし、前述の通り、アレルギー素因のある方では高い咳止め効果が得られることがあります。
 

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ザイザル

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アレグラ

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アレロック

 
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ジルテック ドライシロップ

(4)吸入ステロイド
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フルタイド

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キュバール

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オルベスコ

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パルミコート

(5)合剤
 (気管支拡張薬)+(吸入ステロイド) の両方が入った合剤です。
 咳喘息には著効し、アトピー咳嗽には気管支拡張薬成分は無効ですがステロイド成分の効果があります。
 特に咳の症状が強い時期には、合剤を使うことにより咳が速やかに改善します。治療を開始した当日、遅くとも数日中までには「とてもよく効いた」「眠れるようになった」と多くの患者さんがその効果を実感できます。
 

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アドエア

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シムビコート

繰り返しになりますが、
「長びく咳」 = 「咳喘息 または アトピー咳嗽」
では、ありません。

「ヒューヒュー」「ピーピー」という音のある咳や呼吸音がある場合、さらに呼吸苦も伴っている場合には、急いで小児科や内科を受診することをお勧めいたします。

また、見逃してはいけない肺疾患(結核や肺炎、百日咳、腫瘍など)がないかの確認のために、小児科や内科の先生に肺を診察していただくことも重要です。

3週間未満の短期間の咳はもちろん、3週間以上の長びく咳でお困りの場合にも、当院にお気軽にご相談ください。
 

 

後鼻漏による咳とは?

たくゆう耳鼻咽喉科クリニックの黒田です。
本日は、よくある症状について、簡単にご説明したいと思います。
 
鼻の中で過剰に分泌された鼻水が、鼻の穴から出てくれば、それはいわゆる「鼻水が出る」ということになります。
しかし、中には「鼻水が前に出ないで、のどの方に垂れていく感じ」で困っている方がいます。
 
まずは下の図をご覧ください。
これは、人の顔の断面を図でお示しした物です。
お分かりいただけますでしょうか。

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健康な方
鼻水は、健康な人でも1日に2~6リットルが作られ、その約3割(0.6~2リットル)は鼻の後方からのどに流れ落ち、本人が知らないうちに無意識に飲み込んでいると言われています。これが後鼻漏(こうびろう)です。ですから、後鼻漏があること自体は病気ではありません。後鼻漏は、健康な方でも生じている生理的なものなのです。

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鼻炎の方
アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎などで、鼻内の鼻水が増えてくると、鼻のあなから鼻水が出て、さらには口蓋垂(のどちんこ)の後ろを回り込んで喉(のど)に落ちていく後鼻漏が普段よりも増えてきます。

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鼻炎の方が仰向けになると…
夜間に寝た状態になると、鼻水はさらに後鼻漏となって流れ落ちるようになります。後鼻漏が増えると、痰が詰まったような感じになります。しかし、実際には痰ではなく後鼻漏がのどに溜まっていることがあります。

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のどに溜まった後鼻漏は、粘り気を増し、また時には黄色味を帯びてくることもあります。睡眠中は、これらを吐き出さない限り、後鼻漏が溜まったままになります。眠ってしまうと、後鼻漏は気にならなくなることが多いようです。

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     朝になると…
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鼻炎をお持ちの方で、朝に起床後に痰の混じった咳が多いという方は、のどに溜まった後鼻漏を吐き出そうとして咳をしているのかもしれません。このような咳は、のどに付着した鼻水を外に吐き出すために大事な役割を持っているため、咳止めでこれを無理に抑え込み過ぎるのは、あまり良くないのかもしれません。
腸の中にたまった有害なものを出すために下痢をするのと同様に、のどに溜まった後鼻漏を出そうとして咳が出る場合には、これを抑え込みすぎては排出すべきものが十分に出てくれません。上記のように後鼻漏が原因の咳の場合には、咳止めを使うよりも、鼻炎の治療を優先したほうが良いと思われます。
また、鼻炎の程度が強い方は、テッィシュでかむ鼻水の量だけでなく、後鼻漏も増えて昼間の咳が出ることがあります。のどの病気ではないので、やはり原因となっている鼻炎の治療が最優先されます。
「ヒュー、ヒュー」と音のなるような咳や、呼吸苦を伴う咳は、気管支喘息などの可能性もあるので、内科や小児科の先生の診察を受けた方が良いです。しかし、鼻の調子が悪くて咳を伴っている場合には、耳鼻咽喉科専門医の診察を受けてみることもお勧めいたします。「鼻水は出ていないし、痰の出る咳なのに、なんで鼻炎薬を処方されるのだろう?」と疑問に思われる方、「後鼻漏による咳」も考えて一度診察を受けてみてはいかがでしょうか。