イネ科の花粉症の季節です。夜の咳はありませんか?

こんにちは。
たくゆう耳鼻咽喉科クリニックの黒田です。

早いもので1年のうちの半分が終わり、7月になりました。
暖かい日も増えてきて、お散歩や公園遊び、屋外でのレジャーなど、楽しみが増えてくる季節ですね。

さて、雪解けの頃から始まっていた「ハンノキ」花粉症、そして前回お伝えしました「シラカバ」花粉症も一段落しました。

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(北海道立衛生研究所のHPより)
http://www.iph.pref.hokkaido.jp/pollen/hannnoki/hannnoki.htm

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http://www.iph.pref.hokkaido.jp/pollen/shirakaba/shirakaba.htm

そして、昨年もお伝えいたしましたが、5月下旬からはイネ科の雑草の花粉症が本格化しており、現在ピークを迎えております。

イネ科の雑草で代表的なものは、「カモガヤ」と「オオアワガエリ」です。

「カモガヤ」は牧草として有名ですが、道端や公園にもたくさん生えているので、よく見かけるのではないでしょうか。
下の写真が「カモガヤ」ですが、稲や麦のような穂をつけたような形をしているのが特徴で、家の周りを見てみると驚くほどたくさん生えていることがあります。

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(苫小牧のカモガヤ)

続いて「オオアワガエリ」です。
下の写真の様な特徴的な形をしており、これも牧草地に多いのですが、道端や公園にもたくさん見かけます。

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(苫小牧のオオアワガエリ)

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(北海道立衛生研究所のHPより)
http://www.iph.pref.hokkaido.jp/pollen/ine/ine.htm

例年7月いっぱいは、イネ科の花粉が飛散しますので、これらに対するアレルギーをお持ちの方は、くしゃみ、鼻水、鼻づまりだけではなく、目のかゆみが生じることもあります。
6月初めからの鼻炎症状が改善しない方は、風邪が長引いているのではなく、イネ科の花粉症かもしれません。

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実際、6月に鼻症状で来院された患者さんで、これらのアレルギーが強く疑われて血液検査を受けられた方には、「カモガヤ」アレルギーが判明した方がたくさんいらっしゃいました。

耳鼻咽喉科専門医の診察を受けると、これらのアレルギーが無いか検査を受けることが出来ます。
花粉症が判明すれば、現在の治療の方針がしっかり立てられるだけではなく、来年以降も花粉症の症状が出る時期が予想できますし、適切な薬を早目に使用することで症状の出現を未然に防ぐことも可能となることがあります。
診察の際には、薬の処方を受けるだけではなく、原因をしっかり調べることをお勧めいたします。
 

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また、これも以前にお話ししたことがあるのですが、鼻炎症状のある方は、夜間~朝の起床時に限定した強い咳が出やすいのが特徴です。
原因としては、「アトピー咳嗽」、「咳喘息」、「後鼻漏による咳」などの可能性があります。

当院の過去のブログで解説しておりますので、宜しかったらご参照ください。
Googleで、「夜」と「咳」、あるいは「後鼻漏(こうびろう)」という単語で検索をすると、一番上に表示されます。おそらく、これらの症状でお困りの方が沢山いらっしゃるのだと思います。

https://taku-jibi.jp/blog/227/
(長引く夜間に強い咳でお困りの方へ)
https://taku-jibi.jp/blog/102/
(後鼻漏による咳)
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日中はほとんど咳が出ないのに、夜の咳、朝の咳が強い方は、アレルギー検査にてハウスダストやダニが原因と判明することもあります。

また、レントゲン検査で副鼻腔炎が発見されることもあります。副鼻腔炎の中には、鼻症状がほとんど無く、後鼻漏による夜の咳だけが症状となっている事も少なくありません。

この様な場合には、咳止めや気管支拡張剤を使用しても効果が無く、抗アレルギー剤や副鼻腔炎の薬を使用することで、症状が劇的に改善することもあります。

今回ご紹介したような症状がある時には、是非とも耳鼻咽喉科専門医へ御相談ください。

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