インフルエンザによる出席停止期間について

こんにちは。
たくゆう耳鼻咽喉科クリニックの黒田です。

インフルエンザの予防接種は、もうお済みでしょうか。
以前にもお知らせ致しましたが、12月初めまでには最後の接種を済ませておくことをお勧め致します。詳しくは、前号のブログをご参照下さい。

北海道では、既にインフルエンザによる学級閉鎖も出ております
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20131107-OYT1T00285.htm

前号に引き続き、インフルエンザに関する情報をお伝えしたいと思います。

【かぜとインフルエンザの違い】

普通のかぜは1年を通してみられますが、インフルエンザは季節性を示し、日本では例年11~12月頃に流行が始まり、1~3月にピークを迎えます。

かぜの多くは、発症後の経過がゆるやかで、発熱も軽度(多くは37℃台)であり、くしゃみやのどの痛み、鼻水・鼻づまりなどの症状が主にみられます。

これに対し、インフルエンザは高熱(多くは38℃以上)を伴って急激に発症し、全身倦怠感、食欲不振などの全身症状が強く現れます。関節痛、筋肉痛、頭痛も現れます。また、インフルエンザは、肺炎や脳炎(インフルエンザ脳炎)などを合併して重症化することがあります。

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【インフルエンザの迅速検査】

鼻の奥から粘液をぬぐい取り、迅速検査キットにて10分程度で結果が判明します。

検査で陽性と出た場合、インフルエンザと断定してほぼ間違いはありません。しかし、陰性と出た場合、インフルエンザであることもインフルエンザ でないこともあり得ます。特に発病後1日以内は検査の感度が低いため、インフルエンザであるのに検査では陰性となる可能性があります(これを偽陰性 と言います)。
早期発見・早期治療が原則で、発症後48時間以内の治療が有効なのですが、あまりにも早期の検査の場合には正しい結果が出ないことがあるのです。

1回検査をして陰性と判定されても、翌日以降の再検査で陽性と判定されることもあります。症状が続く際には、再度ご相談いただくことをお勧め致します。

当院では、出来るだけ感度が良く、また短時間で結果が判明する検査キットを採用しております。


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【インフルエンザに罹患した際の出席停止期間】

平成24年4月2日に、文部科学省より「学校保健安全法施行規則の一部を改正する省令の施行について」の通知が出され、インフルエンザ等の出席停止の期間の基準が改正され、出席停止期間が延長されました。
解熱した後もインフルエンザウィルスは排出され続けており、他の人に感染する危険性があるためです。
以前までの基準(解熱後2日)では、幼稚園や学校には登校できませんので、ご注意下さい。

(学校保健安全法施行規則 第19条 )

出席停止の期間の基準は、次のとおりとする。
インフルエンザ(鳥インフルエンザ(H五N一)及び新型インフルエンザ等感染症を除く)にあって
は、発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあつては、3日)を経過するまで

http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/1319523.htm
 

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インフルエンザによる発熱期間が短いほど、登園・登校しても良い日も早くなるということが、お分かりいただけたかと思います。

また、小さなお子さんのいるご家庭では、家族内での感染を予防する意味で、お子さんを含めてご家族で予防接種を受けられた方が良いと思われます。

予防接種の効果が最大になるまでに約1ヶ月を要することを考慮すると、12月初めまでの接種をお勧め致します。12月末までは、予約無しで来院していただいてもワクチンの接種が可能です。

但し、年明け1月以降の予防接種については、予防効果の見地から考えると有効性に疑問があるため、当院では原則として行わない予定です。ワクチンの在庫に余裕がある場合には、1月に限り、完全予約制にて行うことも検討しております。詳しくは窓口、または電話にてお問い合わせをお願い致します。

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