平成29年度のインフルエンザ予防接種について

こんにちは。

院長の黒田です。
 
短い夏も終わり、ちらほらと紅葉も見られる季節となりました。
そして、今年も早くもインフルエンザの予防接種の時期になりました。
 
今年も、インフルエンザのワクチン接種に関して、重要なお知らせがあります。
大事なお知らせを優先的にご案内いたしますので、以下のインフルエンザに関する一般的な情報は、過去のアーカイブ記事をご参照ください(「院長ブログ」ボタンをクリックして下さい)。

【インフルエンザワクチンが3価から4価になりました】
【インフルエンザウイルスの型とは】
【ワクチンに含まれる添加物について】
【乳幼児ワクチン接種と脳症の関係】

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【今年のワクチンの株】

今年は、4価のうち1価だけ種類が変更になっています。

○  平成28年度(2016/2017シーズン)
    A/California(カリフォルニア)/7/2009(X-179A)(H1N1)pdm09
    A/Hong Kong(香港) /4801/2014(X-263)(H3N2) 
    B/Phuket(プーケット)/3073/2013(山形系統)
    B/Texas(テキサス)/2/2013(ビクトリア系統)

○  今年、平成29年度(2017/2018シーズン)
    A/Singapore(シンガポール)/GP1908/2015(IVR-180)(H1N1)pdm09  ← 昨年と変更
    A/Hong Kong(香港) /4801/2014(X-263)(H3N2)
    B/Phuket(プーケット)/3073/2013(山形系統)
    B/Texas(テキサス)/2/2013(ビクトリア系統)
 
この組み合わせは、毎年厚生労働省が流行予測を行って5~6月に公布され、各製薬メーカーは7月にはその発表と全く同じ組み合わせのワクチンを製造し始めます。ですから、ワクチンメーカーによって効果が異なることはありませんし、接種する医療機関によって効果に差が出ることもありません(「○○病院の予防接種は効くけれど、△△クリニックのは効かない」ということは起こりません)。
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【接種の年齢と回数】

(1) 6か月以上3歳未満  1回0.25ml 2回接種
(2) 3歳以上13歳未満   1回0.5ml 2回接種
(3) 13歳以上        1回0.5ml 1回または2回接種
      
※ 生後0~6ヵ月まではワクチンを接種しても抗体の上がりが悪く、有効性が確認されていないため、ワクチン接種の対象となっていません(接種希望があっても接種できません)
※ 1回目の接種時に12歳で2回目の接種時に13歳になっていた場合でも、12歳として考えて2回目の接種を受けて構いません。
※ 2回接種する場合は、腕の腫れを減らすため、左右交互に打つことが勧められています。

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【ワクチンの効果が出る期間】

 インフルエンザワクチンは接種後2週目から抗体が上昇し始めて1ヵ月でピークに達し、その効果は約5ヵ月間持続します。2回接種が必要な場合、1回目の接種で抗体がピークに達している1か月後に追加接種した場合に最も抗体が上昇しますので、2回目の接種はこの頃に受けるのがよいでしょう(一般的には、接種間隔は2~4週とされています)。以下は当院として推奨するワクチン接種時期の例です。遅くとも12月上旬までには最後の接種を済ませておくことをお勧めいたします

(2回接種の例)
1回目 10月下旬~11月上旬
          ↓(4週後)
2回目 11月下旬~12月上旬

(1回接種の例)
1回目  10月下旬~12月上旬

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 ワクチン接種後の効果の持続期間ですが、一般的には、2回の接種後1か月で77%が有効予防水準に達し、接種後3ヶ月で有効抗体水準は約78..8%と維持されていますが、接種後5ヶ月では約50.8%まで減少すると言われています。
つまり、11月上旬に最後の接種をした方は、2月上旬までは約80%、4月上旬までは50%の抗体が維持されます。これが12月上旬ですと、3月上旬までは80%、5月上旬までは50%、ということになります。

 

【他の予防接種との接種間隔】

不活化ワクチン及びトキソイド接種を受けた場合は、6日以上の間隔をあけて、
生ワクチン接種を受けた場合は、ウイルスの干渉を防ぐために27日以上の間隔をあけて、
次のワクチンを接種することが推奨されています。

 

安全性を確保するために、インフルエンザ予防接種の前に受けたワクチンをご確認ください。

【不活化ワクチン】  ⇒ インフルエンザ予防接種は6日以上あける
インフルエンザ菌b型(Hib)、肺炎球菌、インフルエンザ、DPT-IPV、DPT、DT、ジフテリア、
破傷風、ポリオ、日本脳炎、A型肝炎、B型肝炎、狂犬病、子宮頸がん

【生ワクチン】 ⇒ インフルエンザ予防接種は27日以上あける
MR、麻疹、風疹、BCG、おたふくかぜ、水痘、ロタウイルス、黄熱

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【妊娠中・授乳中の接種】

妊娠中の接種に関する安全性は確立していないので、妊婦または妊娠している可能性のある場合には、予防接種の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ接種すること、となっています。予防接種後の胎児の先天異常の発生率は、接種を受けていない自然発生率より高くなることは無いという報告もありますが、妊娠中の投与に関する安全性は確立しておらず、動物実験では薬剤の胎盤通過性が報告されています。よって、万が一の危険性を心配される方は、接種を控えたほうが良いと思われます。妊娠中の方は、通院中の産科担当医にご相談されることをお勧めいたします。「接種は問題が無い」、と言われた妊婦さんは、当院でワクチン接種が可能です

一方、授乳期間中は、インフルエンザワクチンを接種しても支障はありません。インフルエンザワクチンは不活化ワクチンというタイプで、ウイルスの病原性を無くしたウイルスの成分を用いているため、ウイルスが体内で増えることが無く、母乳を介してお子さんに影響を与えることはありません。

しかし、授乳期間中にインフルエンザに罹患した場合、授乳を続けながら抗インフルエンザ薬(タミフルなど)を使用することは出来ませんなので、授乳しながらでも受けられるワクチン接種による予防をお勧めいたします(以下をご参照ください)。
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授乳中のインフルエンザ治療
授乳期間中にインフルエンザに罹患してしまった場合、母乳中にインフルエンザウイルスが含まれ、母乳を介して乳児に感染を起こすことはほとんど無いと考えられています。しかし、母親と乳児は日常から接触する機会が多く、母乳とは関係なく、咳などの飛沫感染によって乳児に感染する可能性が高いと思われます。
 そして、抗インフルエンザ薬(タミフルやリレンザなど)は母乳中に移行すると言われており、投与中に母乳を与えることは避けることとなっています。米国予防注射詰問委員会の勧告では、抗インフルエンザ治療薬について、「授乳中の婦人には投与しない」「投与する場合には授乳は避ける」とあります。    
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【経鼻ワクチンは行っていません】

これまで米CDC(米疾病対策センター)は、経鼻の弱毒生インフルエンザワクチンの『フルミスト』を、「子どもへの感染予防効果が認められる」と勧奨してきましたが、昨年6月に一転、「2016/2017シーズンは勧奨しない」と発表しました。
CDCの発表は、米予防接種諮問委員会(ACIP)の「2〜17歳での効果(全型のインフルエンザを対象)は、2013-2014シーズンがマイナス1%、2014-2015が3%、2015-2016が3%」などとする調査報告を受けたものです。効果がマイナスとは、ワクチン未接種の方が感染しにくいという解析結果だったことを示します。
2013/2014、 2015/2016のシーズンは、通常の皮下接種の不活化ワクチンの効果が約60%なのに対し、経鼻ワクチンの「フルミスト」の効果が有意に低かったとされています。特に、重症化しやすい、A型のH1N1型への効果はほぼゼロだったことが話題となりました。

いずれ、国内で製造・認可される経鼻ワクチンが、「推奨されるワクチン」となった場合には、当院も導入を検討いたします。しかし、日本国内で不認可となっている現状では、当院では導入の予定はありません。
 

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【今年も、ワクチンが足りなくなる可能性があります!】 

上記の通り、毎年7月にはワクチンメーカーが製造を開始しており、日数をかけてワクチンが完成します。なので、流通量が足りなくなったからといって、急遽増産することは出来ません。
昨年は、熊本市にあるワクチンメーカーである化学及血清療法研究所(化血研)が、熊本震災の影響で、製造設備に甚大な被害が出たため、全ての製品の製造が止まり、ワクチン供給量が例年よりも少なくなりました。
今年は、同社の復旧に伴い、ワクチンが供給されるようになりましたが、医療機関に納品されるのが12月中旬と大変遅くなります。それまでは、他のワクチンメーカーの製品を使うことになるのですが、今年は、他のメーカーの生産量が昨年よりも大幅に少なくなりました(昨年比60%のメーカーもあります)。

ワクチン不足については、厚生労働省が「今シーズンの供給量は、昨年度よりも10%減」、と発表しています。
(下のグラフをクリックすると拡大表示されます)
ワクチン供給量
        (厚生労働省のHPより)

また、各種メディアでも、
今シーズンは、インフルエンザが早期から流行していること
ワクチンの供給量が不足しているため、医療機関でも十分な量の確保が難しい状態であること
が報じられています
(下記のボタンをクリックすると、供給量不足の原因など、ニュースが閲覧できます)。
    J-CAST       
        (J-CASTのHPより)

この状況は、当院に限ったことでは無く、日本国内の全ての医療機関に当てはまることです。
今年は、
・化血研製のワクチン供給が大幅に遅れ、
・流行前に間に合うようなワクチンの増産も出来ず、
・国内未承認の経鼻ワクチンも、有効性の問題から、使用を中止したままの医療機関があり、
・保存料無しの使い切りワクチンも供給がほとんど無く、
・例年以上のワクチン不足のために、早期にワクチン接種を終了する医療機関が増える可能性があります。

今シーズンも、早めに接種を済ませる事をお勧めすると同時に、確実な接種のためには、医療機関に事前に予約されることをお勧めいたします。

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【当クリニックの予防接種】

(1) チメロサール(水銀を含有した保存料)の入っていない、1人で使い切り型のワクチンは、今シーズンもほとんど製造されておらず、接種が出来ません

理由は、上記の通り、メーカーが十分な供給を行えない結果、全国的なワクチン不足が生じているからです。ワクチンの安定供給を目的に、今年は保存料無しの使い切りワクチンの製造は、極少数のみとなり、従来のバイアルタイプのワクチンのみを集中的に製造することで、ワクチン不足が生じないようにする、という方針となったようです。バイアルの規格も、今年は1つしか製造されない緊急事態ですので、無駄にしないように、ワクチンを大事に使用しなければなりません。
    シリンジタイプ  ←今年も、保存料無しのシリンジタイプは無し。



(2) 経鼻ワクチンは行っていません
従来型の皮下接種型のワクチンのみです。  
経鼻ワクチンは、データの蓄積により、皮下接種型よりも効果が低いことがある、と判明しています。
「経鼻ワクチンが推奨されていない」ことに関しては、上記のコラムをご覧下さい。


(3) 小児は、誤接種を防ぐために母子手帳を持参して下さい


(4) 接種開始日は、10/23(月)です。     
            10~11月中は、完全予約制とさせていただきます
    当院診察時間にお電話にてお問い合わせをお願いいたします。
     (TEL) 0144-53-5800
  
12月以降は、予約の方を優先にしたいと考えております。完全予約制ではありませんが、確実に接種を受けていただくためには、在庫確認のために電話でのお問い合わせと予約をお勧めいたします(在庫がなくなり次第終了いたします)。

接種の時期ですが、遅くとも12月上旬までには接種を済ませておくことをお勧めいたします。
2回接種の方は、1回目を10月下旬~11月上旬に、2回目をその3~4週後に受けることをお勧めいたします。
ワクチン不足のために2回目の接種ができなくならないように、2回目の分も予約する事をお勧めいたします。


(5) 価格と回数

【生後6ヶ月以上 3歳未満】   
          バイアルタイプ       2500円     
2週間以上あけて、2回接種が必要です(3~4週間後をお勧めします)。
母子手帳をご提出ください。


【3歳以上 13歳未満 】
           バイアルタイプ      3000円     
2週間以上あけて、2回接種が必要です(3~4週間後をお勧めします)。
小児は母子
手帳をご提出ください。


【13歳以上】
          バイアルタイプ     3000円 
原則として1回接種です
※ 一般に、13歳以上では1回接種で十分な免疫が得られるとされています。
但し、13歳以上でも基礎疾患(慢性疾患)のある方で、著しく免疫が抑制されている状態にあると考えられる方などは、医師の判断で2回接種となる場合があります。

 

 

【公費助成を受けられる方】

 平成29年11月1日(水)~30年1月31日(水)

・下記に該当する方は、公費助成が受けられます。
・氏名・年齢・住所を確認できる身分証明書や、必要な手帳をお持ちでない場合には、公費助成は受けられません。
・必要書類をお忘れの方は、持参のうえで再来院をお願いいたします。

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 窓口での負担は、(1,300円)です。


7インフル公費

非課税世帯の方でも、生活保護世帯以外の方は有料になります。
期間外の接種は、対象外となりますのでご注意ください。
苫小牧市に住んでいても、苫小牧市に住民登録が無い場合は対象外となります。
市外の医療機関で接種したときなど、全額自己負担で接種された方への補助はありません。
 

ワクチンは数に限りがある貴重なお薬で、また瓶の製剤の場合、一度開封してしまうと保存することができません。大事なワクチンが無駄にならないよう、窓口で予約していただくことをお勧めいたします(予約がなければ接種が受けられないということではありませんが、確実に接種を受けていただけるためには予約をお勧めいたします)。

また、体調を崩したり、都合が悪くなって予約をキャンセルされる際には、早めにご連絡いただけますと、貴重なワクチンが無駄にならずに済みます。御協力のほどを宜しくお願いいたします。

その他、インフルエンザの予防接種に関するお問い合わせは、遠慮なく、当院の診察時間にお電話でお願いいたします。 
詳細については、下記の厚生労働省のHPに記載がありますので、ご参照下さい。
(下記のボタンをクリックで、厚生労働省からのインフルエンザに関する情報が閲覧できます)
   厚労省
    (厚生労働省のホームページ)


 

 

夏風邪の「ヘルパンギーナ」と「手足口病」が流行しています。

こんにちは。
たくゆう耳鼻咽喉科クリニックの院長 黒田です。


ようやく夏らしい天気になってきたと思っていたら、猛暑が続いています。
子供達は運動会も終わり、もうすぐ始める夏休みを楽しみにしているでしょうか。
大人も、そろそろお盆の帰省の予定などを考えていらっしゃるのではないでしょうか。

苫小牧では、もうすぐ「樽前山神社例大祭」「第62回港まつり」が始まります。

晴天のもとで、花火もお祭りも楽しみたいですね。
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さて、6月から始まっていたイネ科の雑草の花粉症ですが、まだまだ続いています。
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                         (北海道立衛生研究所のHPより)
 
イネ科の雑草は、夏にたくさんの花粉を飛ばすので、アレルギーの3症状(鼻水、鼻づまり、くしゃみ)に加えて、目のかゆみを感じる場合も多いです。
当院で検査を受けて、「カモガヤ」のアレルギーと判明済みの皆さんは、自分の症状がアレルギーだと分かっていたので、早目に治療を開始して、ほとんど症状を感じずに快適に過ごせたのではないかと思います。
「カモガヤ」をはじめとしたイネ科の雑草は、7月いっぱい飛散して、8月は一旦収束します。そして9月に入ると、もう一度飛散しますので、秋にも症状が出るかもしれません。初夏(6~7月)と秋(9月)にはイネ科の雑草アレルギーの可能性がある、と覚えておくと良いでしょう。春と秋の季節の変わり目には、いつも鼻の調子が悪くなる、という方は、実は「イネ科の雑草アレルギー」かもしれません。
 
下の写真は、イネ科の「カモガヤ」です。牧草地帯で無くても、住宅街の道端や公園に、沢山生えていると思います。自宅や職場の周りにたくさん生えている場合には、注意が必要です。雑草処理のために一気に刈り取った後には、花粉も一気に飛散します。
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この時期に鼻症状や目のかゆみが出るようであれば、一度耳鼻咽喉科専門医に相談の上、アレルギーの検査をして、しっかりと診断病名をつけて治療したほうが良いかもしれません。
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さて、感染症の状況ですが、昨年から季節を問わずに一年中「溶連菌感染症」に伴う扁桃炎や咽頭炎が続いています。のどの痛みと発熱のある方は、単なる風邪では無くて溶連菌感染症の可能性があります。「市販薬や風邪薬で様子を見ても治らない」という方は、耳鼻咽喉科専門医の受診をお勧め致します。
 
さらに、夏の到来とともに、今度は「夏風邪」が流行っており、当院でも受診者が増えています。
夏風邪と言えば、「ヘルパンギーナ」「手足口病」「咽頭結膜熱」の3つが有名です。ヘルパンギーナは、主にコクサッキーA型ウイルスによる感染症ですが、その他のウイルスが原因となることがあります。麻疹や風疹、水痘とは異なり、一度罹患しても何度でも繰り返することがあります(原因ウイルスが複数存在するために、終生免疫を得るのが難しいからです)。多くは「38-39℃の高熱」と「のどの痛み」が主な症状です。
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ヘルパンギーナについて、少し解説させていただきます。
下の写真の様に口蓋垂(のどちんこ)の周りに水疱(すいほう)を認めることで、診断されます。
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 大人や、子供でもしっかり口を開けてくれる場合には、このようにはっきりと確認できます。
 
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これは別の患者さんです。扁桃炎だと思うとのことで来院されましたが、扁桃には異常が無く、ヘルパンギーナの診断となりました。扁桃に近い場所の病変なので、自覚症状だけでは区別が難しいですね。

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乳児だと、十分に症状を訴えることも出来ず、口を開けてくれないので、分かりにくいこともあります。しかし、しっかり開口すると、口蓋垂の周りに粘膜疹があるのが分かります。

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幼児だと、のどが痛いと訴えてくれる場合もありますが、発熱と食欲低下のみで症状がはっきりしないこともあります。
 
「手足口病」でも同様の所見が見られますが、手足口病ではその名の通りに手や足などの全身に皮疹が出ることが特徴です。「ヘルパンギーナ」と診断されても、後になってから手足に皮疹が出てきたために、「手足口病」と診断名が変わることも少なくありません。
 
どちらも抗生物質は無効で、特効薬というのはありませんが、高熱があれば座薬や内服薬などでの解熱を行い、十分に水分を摂取して、安静にすることが大事です。発熱は3日程度で落ち着くことが多いので、心配はありません。また、感染を防ぐためには、手洗いやうがいをこまめに行うことが重要です。

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学校保健安全法で定められている学校感染症には3種類あり、出席停止の決まりがあります。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
○第1種(エボラ出血熱や、鳥インフルエンザ、など) 
 第一種の感染症にかかった者は、治癒するまで。

○第2種(インフルエンザ、流行性耳下腺炎、麻疹、風疹、水痘、など)
 それぞれ定められた出席停止期間。ただし、病状により、学校医その他の医師において感染の恐れがないと認めたときはその限りではない。

○第3種(溶連菌感染症、手足口病、ヘルパンギーナ、マイコプラズマ感染症、など)
 病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めるまで。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
第3種に属する「溶連菌感染症」「手足口病」「ヘルパンギーナ」の場合、「感染の恐れが無い」と認められるのは、いつなのでしょう?

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「溶連菌感染症」は、適切な抗生剤での治療開始後24時間が経過した時点ですので、医療機関を受診した当日と翌日は、登園・登校を控えましょう。
 
「手足口病」「ヘルパンギーナ」の場合、適切な治療と行っても特効薬が無く、ウイルス感染症が自然治癒するのを待つだけです。一つの判断基準として、「発熱や咽頭・口腔の水疱を伴う急性期は出席停止、治癒期は全身状態が改善すれば登校可」というものが示されています。但し、原因となっているウイルスは、1ヶ月近く感染力を持っていることもありますが、現実的にはこれらの病気で1ヶ月も休むことはあり得ません。ウイルスの感染力は持っているけれども、全身状態が良好なので出席している子供がいて、園内・学校内で感染が広がってしまうのが実情です。
 
保育所や幼稚園で流行することが多く、罹患した子供が家庭内でさらに感染を広げることも多いです。診断を受けた場合には、マスクをつけて、更なる感染を広げない様にしましょう。特に小さな乳幼児が家庭にいる場合には、お兄ちゃん・お姉ちゃんから感染をもらわない様に、保護者の方が注意することが必要です(風邪症状のある子供には、手洗い・うがい・マスク装用をさせましょう)。

これらの夏風邪は、大人ではあまり見られませんが、罹患した子供さんのいる家庭では、免疫力の低下した大人にうつることもあります。ヘルパンギーナの子供さんを看病したお父さん・お母さんや、ご高齢の方、免疫力を低下させる薬剤(ステロイドなど)を内服中の方は、要注意ですね。
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夏風邪症状でお困りの際にも、専門的知識をもった耳鼻咽喉科専門医へご相談ください。
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【平成29年の春の花粉症の情報です】

こんにちは。
たくゆう耳鼻咽喉科クリニックの黒田です。
 
気温が上がり、雪解けも進んで、春の到来を感じるようになってきました。卒業や進学、転居や転職など、身の回りの環境も変わることが多く、何かと体調を崩しやすい季節です。
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A型インフルエンザはいまだに収束しておらず、一方で、春先に見られるB型インフルエンザの患者さんもいません。溶連菌による発熱・咽頭痛も、通常は冬場には収束するのですが、現在も尚、途切れなく流行しています。
 
  
さて、当院で春の花粉症と診断されている患者さんが、少しずつ来院されるようになっています。
「鼻水」「鼻づまり」「くしゃみ」「鼻のかゆみ」「目のかゆみ」が主な症状です。
苫小牧の花粉症の状況について、簡単にご説明させて頂きます。
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花粉の飛散情報は、道立衛生研究所のHPを見ると、札幌の状況が確認できます。残念ながら、苫小牧の情報は無いので、札幌の情報を参考にするしかありません。
例年、3月には花粉の飛散が始まるのですが、3/24現在、既に「ハンノキ」の花粉飛散が始まっております。
4月からの「シラカンバ」はまだ飛散していないのですが、花粉症の患者さんは、花粉飛散開始の情報よりも早く、鼻や目の症状が出ることがあります。花粉症の方は、周囲に飛散している極微量の花粉や粉塵などで反応して、鼻や目の症状が出ているのかもしれません。

それでは、春の花粉症について、少し詳しく解説させて頂きます。
 
まず、3月下旬から飛散が始まる「ハンノキ」の花粉症です。既にピークを迎えているようで、一気に飛散量が増えています。既に検査を受けて、「ハンノキ花粉症」と分かっている方は、この時期に発症することをご存知なので、既に治療を開始されています。
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    (道立衛生研究所のHPより)



そして、これに続いて4月中旬から始まる「シラカバ」の花粉症ですが、さすがにまだ飛散はしていません。
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但し、今年は例年に比べて、飛散量が少ないという予想が多いです。
以下は日本気象協会のHPからの引用です。
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(日本気象協会のHPより)
昨シーズンと比較して、50-70%と少なめが予想されています。

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ここ数年の平均と比較すると、飛散量は50%以下と、非常に少ないと予想されています。


あくまで予想ですので、実際の飛散量がどのようになるかは不明ですが、今年は花粉症の症状があまり出ないという方がいらっしゃるかもしれません。
また、前述の通り、花粉に飛散量の多い少ないに関係なく、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみが出る方もいますので、例年通りの治療が必要な方も相当にいると思います。
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以前は、薬の効果が出てくるまでに日数がかかるため、花粉症のシーズンが始まる前から内服治療を開始することを推奨されていた時代がありました。
しかし、現在は即効性に優れた薬がたくさん開発されたため、発症後に内服し始めても、十分に効果が得られるようになりました。
いずれにしても、自分の体の特徴・体質を知っておくことが大事です。
「この時期のこの症状は、花粉症だな」と理解しておくと、わずかな鼻症状であっても、何が原因なのかを何となく予想できますので、早目に正しい治療を受けられます。花粉症の時期は、風邪と思い込まずに、アレルギーの可能性を考えて治療することが重要です。
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花粉症のときには、気道の過敏性が亢進して咳も出やすく、「アトピー咳嗽」と言われるような一度始まるとなかなか止まらない咳を合併することもあります。そして、鼻水が多くなると後鼻漏も増えるため、鼻汁による咳を伴って、さらに症状は悪化することがあります。
「後鼻漏(こうびろう)による咳」については、過去のブログをご参照下さい。
bnr-blog ←こちらをクリックしてみて下さい。

「鼻かぜでは無く花粉症かも」、「のどの風邪ではなく、花粉症に伴う咳かも」と考えてみても良いかもしれません。
咳がなかなか止まらない場合には、耳鼻咽喉科専門医でアレルギーの検査を受けていただき、結果によっては、咳止めを処方してもらうのではなく、アレルギーの治療を開始することで、大きく改善することもあります。
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また、小児の場合には、鼻水が出る状態が長く続くと「中耳炎」を合併することが多いため、しっかりと耳垢を取り除いて鼓膜を確認することが重要です。
中耳炎は軽症であれば薬を飲むことで改善しますが、重症化してしまうと、激しい耳痛、発熱、耳だれが出ることがあり、場合によっては鼓膜切開が必要になることがあります。
小さな子供は、耳の不快感があっても保護者に訴えることが出来ず、理由が無いのに機嫌が悪かったり、風邪薬を飲んでも熱がなかなか下がらない、といった兆候しか無いこともあります。
「鼻水が出ているし、もしかしたら中耳炎になっていないかな?」と考えてあげることが大事です。

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そして、小児、成人を問わず、「鼻水が続いているのでアレルギー」と決めつけずに副鼻腔炎の有無を調べることも重要です。
小児の場合、アレルギー性鼻炎患者の約50%が副鼻腔に異常があり、逆に副鼻腔炎患者の25~75%にアレルギー性鼻炎が認められると言われています。
色のついた粘り気のある鼻水が出たり、頬や眉間、目と目の間(鼻のつけ根辺り)に痛みや重苦しさがあれば、副鼻腔炎の可能性が高いと言えます。

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また、アレルギー性鼻炎が疑われる際には、鼻炎の薬でその場しのぎをするのでは無く、しっかりと検査をして確定診断をつけることが重要です。
当院では、花粉症を含めた成人用アレルギー検査の他に、小児の就学前アレルギー検査や、アナフィラキシーの危険がある食物アレルギーに対する「エピペン®」の処方も受け付けておりますので、遠慮なく御相談ください。
現在、小学校入学前のアレルギー検査を希望する方が、たくさん来院されています。小学校へ提出する書類への記載も行っておりますので、遠慮無く御相談下さい。入学前のアレルギー検査は、3月までに行うことをお勧めいたします。
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【耳鼻科の感染症の出席停止日数】

こんにちは。
院長の黒田です。
 
昨年お伝えいたしましたが、やはり今シーズンは『A型のインフルエンザ』が流行しました。
2月末には一旦収束の気配を見せていたのですが、3月に入って、再び流行の兆しを見せています。
幼稚園や小学校では学級閉鎖になっている所もあり、職場内で流行している所もあるようです。

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・『インフルエンザ』は、これからの時期、「A型」から「B型」に流行が変わる可能性があり、まだまだ注意が必要です。
・『流行性耳下腺炎(おたふく風邪)』も相変わらず罹患者がいる印象です。こちらは、大人・子供を問わずに、受診される方がいらっしゃいます。 
・『溶連菌による咽頭炎』も、幼稚園児・小学生を中心に、依然として流行しています。
 
医療機関を受診して、検査を受けて、病名診断がついて、いよいよ治療が始まります。
では、どれぐらいの日数、自宅療養が必要なのでしょう?
幼稚園児は? 小学校は? 中学生は? 高校生は? 大人は?
 
実は、今回紹介する3つの疾患は、出席停止・出勤停止に必要な日数が異なります。
これらについて、簡単に説明をさせて頂きます。

 
(1) 大人
 
【インフルエンザ】、【流行性耳下腺炎(おたふく風邪)】、【溶連菌感染症】に共通することですが、大人に関しては、法律での決まりはありません。
極端なことを言うと、インフルエンザと診断されたにもかかわらず出勤したからといって、法律上の罰則はありません。

が、しかし、、、
常識的に考えて、罹患(りかん)したままで出勤すれば、職場全体に感染症が蔓延し、業務に支障が出てしまいます。よって、他人にインフルエンザをうつさないための対策が必要になります。薬を飲んで、マスクをしたからといって、他人への感染を完全に防ぐことはできません。やはり、マナーとして出勤停止が好ましいと思われます。
 
これらの感染症の可能性があると判断された場合には、まずは職場の上司に連絡して判断を仰ぐのが良いでしょう。その上で、職場で定められている「就業規則」に従って、出勤停止をするのが良いでしょう
 
「就業規則」に定めがなく、会社でも判断ができないと言われた場合には、どうしたら良いのでしょう?。その場合は、以下に示す、子供に対する出席停止期間を参考に、職場と相談するのが良いと思います

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(2) 子供
 
今度は、子供の「登園・登校停止」の期間について、ご説明いたします。
ここで言う子供とは、何歳までのことを言うのでしょう?
出席停止日数に関しては、「学校保健安全法」で規定されています。
この法律を見てみると、、、

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
学校保健安全法第2条  この法律において「学校」とは、学校教育法(昭和 22 年法律第 26 号)第 1 条に規定する学校をいう。この法律において「児童生徒等」とは、学校に在学する幼児、児童、生徒又は学生をいう。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
学校教育法第1条 この法律で、学校とは、幼稚園、小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学及び高等専門学校とする
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

となっており、
幼稚園児~高専・大学生までは、学校保健安全法に従って出席停止をしなければなりません。
保育園児は規定されていませんが、幼稚園児に準じて考えて良いと思います。
 

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それでは、それぞれの疾患別にご説明を進めていきます。


① 【インフルエンザ】

出席停止日数は、以前に、当院のブログで詳しく解説をしております。
ご参照頂けると幸いです(お勧めです)。
http://www.taku-jibi.jp/blog/2013/11/

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保育園・幼稚園発症した後5日を経過し、かつ解熱した後3日を経過するまで
小学校以上  :発症した後5日を経過し、かつ解熱した後2日を経過するまで

※ 発熱してインフルエンザと診断されて、1日ですぐに解熱して元気になった場合でも、発症後5日を経過しなければ、出席できません。
 

 

② 【流行性耳下腺炎(おたふく風邪)】

耳下腺、顎下腺又は舌下腺の腫脹が発現した後5日を経過し、かつ、全身状態が良好になるまで」です。
幼児から大学生まで、年齢は関係ありません。
 
かつては、「耳下腺の腫脹が無くなるまで」でしたが、インフルエンザと同様に、平成24年4月に変更となりました「腫れがひいてから、、、」ではなく、「腫れが始まってから、、、」ですので、間違えないようにして下さい
 
※ 発症後5日程度で感染力が弱まりますが、腫れが長期間にわたる場合もあるので、5日経過しても、全身状態が良好になるまで(発熱や腫れがなくなるまで)は、感染の可能性があるので、出席停止となります。
※ 耳下腺(耳の下)の腫れが引いても、顎下腺(顎の下)が腫れていれば、全身状態が良好とは言えませんので、出席停止です。

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③ 【溶連菌感染症】

病気の特徴については、以前にこちらで詳しく解説しています。
「38度近い高い熱」、「咽頭痛」、などがありましたら、非常に怪しいです。
以下をご参照頂けると幸いです(お勧めです)。
https://www.facebook.com/takuyujibiinnkouka/posts/1176239185758728   
     ss08-01

溶連菌感染症は、インフルエンザや、流行性耳下腺のような出席停止を義務づける法律はありません。これは、手足口病や、ヘルパンギーナと同じです(以下をご参照下さい)。
http://www.taku-jibi.jp/blog/518/
 

学校保健安全法で定められている学校感染症には、以下の3種類があります。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
○第1種(エボラ出血熱や、鳥インフルエンザ、など) 
 第一種の感染症にかかつた者については、治癒するまで。

○第2種(インフルエンザ、流行性耳下腺炎、麻疹、風疹、水痘、など)
 それぞれ定められた出席停止期間。ただし、病状により、学校医その他の医師において感染の恐れがないと認めたときはその限りではない。

○第3種(溶連菌感染症、手足口病、ヘルパンギーナ、マイコプラズマ感染症、など)
 病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めるまで。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

では、第3種に属する「溶連菌感染症」の場合、「感染の恐れが無い」と認められるのは、いつなのでしょう?
 
溶連菌の感染力は、適正な治療を行っていない場合には、長く持続して、くしゃみや咳などで飛沫感染を起こします。しかし、適正な抗生剤治療を開始して24時間を経過すると、感染力はかなり低下します。よって現実的には、「適正な抗生剤治療開始後24時間を経て、かつ全身状態が良好であれば登校可能」となることが多いです。

つまり、無症状であっても、医療機関受診当日と、翌日は登校を控える必要があります
※ 「全身状態が良好」とは、発熱も、咽頭痛も、咳も無く、無症状のことを指します。
※ もちろん、全身状態が良好であっても、担当医から指示された期間は、抗生剤を飲み続けなければなりません。


以上です。
どの疾患も、しっかりと休むべき期間を守って、そしてまた元気になってから、登園・登校するようにしましょう。
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インフルエンザ、耳下腺炎、溶連菌感染症などは、専門知識をもった耳鼻咽喉科専門医の受診をお勧めいたします。
    medical_kaigyoui

【めまいの眼振(がんしん)とは?】

こんにちは。
院長の黒田です。
 
お正月があけて、仕事に、家事に、勉強に、忙しい毎日かと思います。
 
さて、1月の外来診療が始まってまだ間もないのですが、A型インフルエンザとともに、溶連菌感染症が相変わらず多いです。
どちらも高熱が出るのですが、激しいのどの痛みがある場合には、インフルエンザでは無く溶連菌のことが多い印象です。
今は子供達が冬休みなので、感染もあまり広がっていませんが、1月後半に新学期が始まると、両者とも爆発的に広がる可能性があります。受験生のいるご家庭では、特に気をつけてください。
 
また、年末年始、特にこの時期には「眩暈(めまい)」でお困りの方が、増えてきます。
帰省してきたお孫さんの相手をして、疲労困憊のおじいいちゃん・おばあちゃんや、家庭の行事や旅行などで、体に負担のかかった人、いつも通りの生活をしていただけなのに突然の眩暈に襲われる人、人によって本当に様々です。
 
さて、みなさんは、眩暈(めまい)が起きたら、どうしますか?
 
・内科に行きますか?
・脳神経外科に行きますか?
・かかりつけの病院に相談しますか?
・それとも、耳鼻咽喉科へ行きますか?

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眩暈には、ぐるぐる回るような「回転性眩暈」もあれば、フワフワと浮かぶような「浮動性眩暈」もあります。
頭の位置や、体の位置を変えたときに起きる眩暈もあります。
色々な頭痛をきっかけに起きる眩暈もあります(拍動性頭痛、締め付けられるような頭痛、目の前に光る物が見える頭痛、など)。
難聴や耳鳴りなど、耳の症状を伴う眩暈もあります。
激しい眩暈では、嘔気・嘔吐を伴います。



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「手足の痺れ」や、「ろれつが回らない」、「頭が割れそうな激しい頭痛」、などを伴っていれば、まずは「脳神経外科」を受診して、脳に異常がないかを確認してもらうことが大事です。
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脳に異常が無ければ、たいていの眩暈は「耳」が原因です(勿論、他の原因の事もあります)。
耳の奥には「三半規管(さんはんきかん)」というバランスをとる装置があり、ここの機能異常が生じると、眩暈を感じます。
その多くは、頭の位置・体の位置を変えた時に生じる「頭位性眩暈(とういせいめまい)」です。
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・寝返りをうった時からの眩暈
・棚の上のものを取ろうとして顔を上げた際の眩暈
・就寝中にトイレに行こうとして体を起こした時の眩暈

などでは、三半規管が原因の「頭位性眩暈」の可能性が高いと言えるでしょう。

 

眩暈が生じた際には、医療機関を受診すると思いますが、
「とりあえず眩暈止めを処方するので、耳鼻科へ行くように」とか、
「応急処置で眩暈止めの点滴をするけれども、眩暈は耳鼻科へ行くように」
「頭の画像検査では異常が無いので、あとは耳鼻科へ行ってください」
と言われることがあるかもしれません。

なぜ「眩暈は耳鼻科へ」なのでしょう。
それには理由があります。
耳鼻科には、眩暈専用の検査機器があるからです。

三半規管が原因の眩暈では、「眼振(がんしん)」という、眼球の横揺れや回転が生じることが多いのですが、これを見つける機器が「フレンツェル眼鏡」というものです。
耳鼻咽喉科専門医は、この「フレンツェル眼鏡」を使って、眩暈の診断を行っています。

単なる疲労、貧血、低血圧、高血圧、低血糖、肩こり、寝不足、自律神経失調症の「めまい感」、などでは、この眼振は生じません。なので、「真のめまい」なのか、「めまい感」なのか、を判定するのに有用なのです。
眼振を伴う「真のめまい」あった場合、内耳の三半規管が原因か、脳が原因か、だいたいこの両者に絞り込まれます。さらに、眼振の強さや方向などをもとに、耳鼻咽喉科専門医はどこに原因があるかを推測します。
眩暈の検査では、眼振の有無を見ることが不可欠なのです。
 
もし、眼振を伴う眩暈があり、しかも「脳」が原因と思われる場合には、脳神経外科へご紹介いたします。脳が原因の眩暈では、早期発見・早期治療がなされないと、重篤な後遺症を残したり、生命予後に影響することもあります。繰り返しになりますが、「手足の麻痺」、「ろれつが回らない」、「猛烈な頭痛」、などの症状があれば、耳鼻科よりも脳神経外科の受診を優先していただいた方が良いと思います。
  

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最後に、当院のホームページでは、実際の「眼振」を見ていただくことが出来ます。
Googleなどで「がんしん」「動画」と検索しても、当院ホームページの動画が上位で見つかると思います。
お時間がありましたら、ご参照ください。
 

 HPのスクリーンコピー2 
ホームページの「めまいでお困りの方」をクリック
 

 めまいでお困りの方2 
「CCDフレンツェル眼鏡」をクリック
 

 HP CCDFr.2  
「設備の説明」をクリック
 

  眼振YouTube2 
          「You Tube再生ボタン」をクリック

早くもインフルエンザの患者さんが増えています。

院長の黒田です。
秋を通り越して一気に気温が下がり、札幌をはじめとした道内各地では早くも積雪が見られます。
苫小牧でも降雪の予報が出始めており、暖房をつけているご家庭も多いのではないでしょうか。

さて、前回のブログでは、
・今シーズンのインフルエンザワクチンの状況(経鼻ワクチンが推奨されていない。チメロサール(保存料の水銀)の入っていないワクチンが製造されない)
・ワクチン不足の可能性
について、ご説明いたしました。
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今回は、「今年のインフルエンザの流行は、早く来るかもしれない」というお話です。

沖縄県では、インフルエンザの流行が例年に無い早い立ち上がりとなっています。
10月初めの時点で、那覇市の定点当たり患者数が11.17人と、注意報レベルである10人を超えています。県全体でも、過去8シーズンで2番目に高い数字です。
検出されている株は、全てA型の香港型(AH3型)だったようです。AH3型は、他の株に比べて重症化しやすいことで知られています。
また、感染者の年齢を見ると、10歳代が107人で最も多く、0-9歳が72人、60歳以降が63人だったそうです。
(以上、「日経メディカル」記事より一部引用)
 
まだ、流行期の始まりの段階に過ぎず、確定的ではありませんが、以下の傾向が予想されます。
1.例年と比べて、流行の立ち上がりが早い
2.重症化しやすいAH3型が先行している
3.10歳以下で流行
 
実際、苫小牧保健所管内でも、続々と感染者の報告が出ています。
今週も新たに27名の新規感染の報告があり、全てA型インフルエンザです。
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当院では、10/24からインフルエンザワクチンの予防接種を開始していますが、例年になく早い段階で接種を済ませている方が多いです。
そして、11月以降の接種を希望の方も、続々と予約が入っている状況です。
昨シーズンは、年明けまで感染者がほとんどいなかったせいもあり、年内に予防接種を受ける方も少なかった印象があります。
しかし、今シーズンは、
・上記の早期流行と重症化の予想
・既に苫小牧保健所管内でA型感染者が続々と増えている事実
・ワクチンの供給が足りなくなる可能性がある(院長ブログの前号を参照)
ことを考えて、早めの接種が良いかもしれません。
 
当クリニックでの予防接種に関して、ご不明な点があったり、予約をご希望の方は、遠慮無くお電話で御相談ください。
     medical_kaigyoui

平成28年度のインフルエンザ予防接種について

こんにちは。
院長の黒田です。

すっかり気温も下がり、紅葉の季節となりました。
そして、今年もインフルエンザの予防接種の時期になりました。

今年は、インフルエンザのワクチン接種に関して、重要なお知らせがあります。
大事なお知らせを優先的にご案内いたしますので、以下のインフルエンザに関する一般的な情報は、過去のアーカイブ記事をご参照ください(「院長ブログ」ボタンをクリックして下さい)。

【インフルエンザワクチンが3価から4価になりました】
【インフルエンザウイルスの型とは】
【ワクチンに含まれる添加物について】
【乳幼児ワクチン接種と脳症の関係】

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【今年のワクチンの株】

昨年から、ワクチンに含まれるウイルス株が3価→4価に変更されました。
今年は、4価のうち1価だけ種類が変更になっています。

○ 平成27年度(2015/2016シーズン)
    A/California(カリフォルニア)/7/2009(X-179A)(H1N1)pdm09
    A/Switzerland(スイス)/9715293/2013(NIB-88)(H3N2)
    B/ Phuket(プーケット)/3073/2013(山形系統)
    B/ Texas(テキサス)/2/2013(ビクトリア系統)

○  今年、平成28年度(2016/2017シーズン)
    A/California(カリフォルニア)/7/2009(X-179A)(H1N1)pdm09
    A/Hong Kong(香港) /4801/2014(X-263)(H3N2) ← 昨年と変更
    B/Phuket(プーケット)/3073/2013(山形系統)
    B/Texas(テキサス)/2/2013(ビクトリア系統)
 
この組み合わせは、毎年厚生労働省が流行予測を行って5~6月に公布され、各製薬メーカーは7月にはその発表と全く同じ組み合わせのワクチンを製造し始めます。ですから、ワクチンメーカーによって効果が異なることはありませんし、接種する医療機関によって効果に差が出ることもありません(「○○病院の予防接種は効くけれど、△△クリニックのは効かない」ということは起こりません)。
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【接種の年齢と回数】

インフルエンザワクチンの接種量と回数が、平成23年度(2011/12シーズン)から変更されました。
(1) 6か月以上3歳未満  1回0.25ml 2回接種
(2) 3歳以上13歳未満   1回0.5ml 2回接種
(3) 13歳以上        1回0.5ml 1回または2回接種
      
※ 生後0~6ヵ月まではワクチンを接種しても抗体の上がりが悪く、有効性が確認されていないため、ワクチン接種の対象となっていません(接種希望があっても接種できません)
※ 1回目の接種時に12歳で2回目の接種時に13歳になっていた場合でも、12歳として考えて2回目の接種を受けて構いません。
※ 2回接種する場合は、腕の腫れを減らすため、左右交互に打つことが勧められています。

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【ワクチンの効果が出る期間】

 インフルエンザワクチンは接種後2週目から抗体が上昇し始めて1ヵ月でピークに達し、その効果は約5ヵ月間持続します。2回接種が必要な場合、1回目の接種で抗体がピークに達している1か月後に追加接種した場合に最も抗体が上昇しますので、2回目の接種はこの頃に受けるのがよいでしょう(一般的には、接種間隔は2~4週とされています)。以下は当院として推奨するワクチン接種時期の例です。どんなに遅くとも12月上旬までには最後の接種を済ませておくことをお勧めいたします。

(2回接種の例)
1回目 10月下旬~11月上旬
          ↓(4週後)
2回目 11月下旬~12月上旬

(1回接種の例)
1回目  10月下旬~12月上旬

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 ワクチン接種後の効果の持続期間ですが、一般的には、2回の接種後1か月で77%が有効予防水準に達し、接種後3ヶ月で有効抗体水準は約78..8%と維持されていますが、接種後5ヶ月では約50.8%まで減少すると言われています。
つまり、11月上旬に最後の接種をした方は、2月上旬までは約80%、4月上旬までは50%の抗体が維持されます。これが12月上旬ですと、3月上旬までは80%、5月上旬までは50%、ということになります。

   

 

【他の予防接種との接種間隔】

不活化ワクチン及びトキソイド接種を受けた場合は、6日以上の間隔をあけて、
生ワクチン接種を受けた場合は、ウイルスの干渉を防ぐために27日以上の間隔をあけて、
次のワクチンを接種することが推奨されています。

 

安全性を確保するために、インフルエンザ予防接種の前に受けたワクチンをご確認ください。

【不活化ワクチン】  ⇒ インフルエンザ予防接種は6日以上あける
インフルエンザ菌b型(Hib)、肺炎球菌、インフルエンザ、DPT-IPV、DPT、DT、ジフテリア、
破傷風、ポリオ、日本脳炎、A型肝炎、B型肝炎、狂犬病、子宮頸がん

【生ワクチン】 ⇒ インフルエンザ予防接種は27日以上あける
MR、麻疹、風疹、BCG、おたふくかぜ、水痘、ロタウイルス、黄熱

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【妊娠中・授乳中の接種】

妊娠中の接種に関する安全性は確立していないので、妊婦または妊娠している可能性のある場合には、予防接種の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ接種すること、となっています。予防接種後の胎児の先天異常の発生率は、接種を受けていない自然発生率より高くなることは無いという報告もありますが、妊娠中の投与に関する安全性は確立しておらず、動物実験では薬剤の胎盤通過性が報告されています。よって、万が一の危険性を心配される方は、接種を控えたほうが良いと思われます。妊娠中の方は、通院中の産科担当医にご相談されることをお勧めいたします。「接種は問題が無い」、と言われた妊婦さんのワクチン接種については、当院でもご相談いただけます

一方、授乳期間中は、インフルエンザワクチンを接種しても支障はありません。インフルエンザワクチンは不活化ワクチンというタイプで、ウイルスの病原性を無くしたウイルスの成分を用いているため、ウイルスが体内で増えることが無く、母乳を介してお子さんに影響を与えることはありません。

しかし、授乳期間中にインフルエンザに罹患した場合、授乳を続けながら抗インフルエンザ薬(タミフルなど)を使用することは出来ませんなので、授乳しながらでも受けられるワクチン接種による予防をお勧めいたします(以下をご参照ください)。
      141029-img5

授乳中のインフルエンザ治療
授乳期間中にインフルエンザに罹患してしまった場合、母乳中にインフルエンザウイルスが含まれ、母乳を介して乳児に感染を起こすことはほとんど無いと考えられています。しかし、母親と乳児は日常から接触する機会が多く、母乳とは関係なく、咳などの飛沫感染によって乳児に感染する可能性が高いと思われます。
 そして、抗インフルエンザ薬(タミフルやリレンザなど)は母乳中に移行すると言われており、投与中に母乳を与えることは避けることとなっています。米国予防注射詰問委員会の勧告では、抗インフルエンザ治療薬について、「授乳中の婦人には投与しない」「投与する場合には授乳は避ける」とあります。    
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【今年は、経鼻ワクチンは推奨されていない】

以下、日経メディカルのHPよりの抜粋です。

『2003年に米国で登場した、経鼻の弱毒生インフルエンザワクチンの「フルミスト」。発売当初は15歳以上だった対象年齢が2歳以上に引き下げられたことで乳幼児への接種例が増えてきた。これまで米CDC(米疾病対策センター)は「子どもへの感染予防効果が認められる」と勧奨してきたが、この6月に一転、「2016-2017シーズンは勧奨しない」と発表。米国のみならず、フルミストの承認申請が出されたばかりの日本でも衝撃が走った。
 CDCの発表は、米予防接種諮問委員会(ACIP)の「2〜17歳での効果(全型のインフルエンザを対象)は、2013-2014シーズンがマイナス1%、2014-2015が3%、2015-2016が3%」などとする調査報告を受けたものだ。効果がマイナスとは、後からの集計でワクチン未接種の方が感染しにくいという解析結果だったことを示

新潟大学の齋藤昭彦氏は、「日本でも期待されていたワクチンだけに今回の報告は残念だ」と語る。
ACIP報告では、2012年までの過去3シーズンはフルミストの効果が50%から70%で、一般的な皮下接種の不活化ワクチンとほぼ同程度だった。一方、2013-2014と2015-2016のシーズンは皮下接種の不活化ワクチンの効果が約60%なのに対し、フルミストが有意に低かったとされている。「報告書から、特にH1N1型への効果はほぼゼロだったことがわかる」と、新潟大学小児科学分野教授の齋藤昭彦氏は話す。』

以上です。
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昨シーズンまでは経鼻ワクチンを接種していたクリニックも、今シーズンは上記を理由に取りやめているところがあります。
(例)
フルミスト効かない3

フルミスト効かない2
いずれ、国内で製造・認可される経鼻ワクチンが、「小児に推奨されるワクチン」となった場合には、当院も導入を検討いたしますが、現状では導入の予定はありません。

 

【今年はワクチンが足りなくなる可能性があります!】 

上記の通り、毎年7月にはワクチンメーカーが製造を開始しており、日数をかけてワクチンが完成します。なので、流通量が足りなくなったからといって、急遽増産することは出来ません。
熊本市にあるワクチンメーカーである化学及血清療法研究所(化血研)が、今年4月の熊本震災の影響で、製造設備に甚大な被害が出たため、全ての製品の製造が止まってしましました。同社の復旧に伴い、ワクチンが11月になってから出荷される可能性がありますが、今現在の目処は立っていません。当面は、その他のメーカーのワクチンを接種するしかありません。

国内の医療機関の中には、同社のものを使用していたところも多数あります。そういった医療機関は、ワクチンが手に入りにくい、あるいは手に入らないという事態が生じ得るため、化血研以外のメーカーが製造したワクチンを、分けて貰うしかありません。

当院のワクチンは化血研製ではありませんが、他の困っている医療機関にも流用しなければ、混乱が生じてしまいます。よって、当院が入荷しうるワクチンの数も制限が加わる可能性があります。

この状況は、当院に限ったことでは無く、日本国内の全ての医療機関に当てはまることです。
今年は、
・化血研のワクチン供給が無く、
・流行前に間に合うようなワクチンの増産も出来ず、
・保存料無しの使い切りワクチンも製造が無く、
・経鼻ワクチンも有効性の問題から使用を中止した医療機関が多く、
・バイアルタイプのワクチンの使用に集中しますが、数に限りがあります。

今シーズンに限っては、早めに接種を済ませる事をお勧めすると同時に、確実な接種のためには、医療機関に事前に予約されることをお勧めいたします。

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【当クリニックの予防接種】

(1) チメロサール(水銀を含有した保存料)の入っていない、1人で使い切り型のワクチンは、今シーズンは製造されておらず、接種が出来ません

理由は、熊本の震災の影響で、ワクチンメーカーの1つ(化血研)が、製品供給できなくなってしまったからです。当クリニックでは、このメーカーのワクチンは採用していませんが、他社だけでは日本国内全体のワクチンを供給するのが困難であると行政側が判断しました。結果、ワクチンの安定供給を目的に、今年は保存料無しの使い切りワクチンの製造が中止となり、従来のバイアルタイプのワクチンのみを集中的に製造することで、ワクチン不足が生じないようにするという方針で決定したたようです。バイアルの規格も、一つしか製造されない緊急事態ですので、無駄にしないように、ワクチンを大事に使用しなければなりません。
    シリンジタイプ  ←今年は、保存料無しのシリンジタイプは製造無し。



(2) 経鼻ワクチンは行っていません
従来型の皮下接種型のワクチンのみです。  
経鼻ワクチンは、データの蓄積により、皮下接種型よりも効果が低いことが判明し、今シーズンの接種を中止している医療機関があります。
「経鼻ワクチンが推奨されていない」ことに関しては、上記のコラムをご覧下さい。


(3) 小児は、誤接種を防ぐために母子手帳を持参して下さい


(4) 接種開始日は、10/24(月)です。     
            10~11月中は、完全予約制とさせていただきます
    当院診察時間にお電話にてお問い合わせをお願いいたします。
     (TEL) 0144-53-5800
  
12月以降は、予約の方を優先にしたいと考えております。完全予約制ではありませんが、確実に接種を受けていただくためには、在庫確認のために電話でのお問い合わせと予約をお勧めいたします(在庫がなくなり次第終了いたします)。

接種の時期ですが、遅くとも12月上旬までには接種を済ませておくことをお勧めいたします。
2回接種の方は、1回目を10月下旬~11月上旬に、2回目をその3~4週後に受けることをお勧めいたします。


(6)価格と回数

【生後6ヶ月以上 3歳未満】   
          バイアルタイプ       2500円     
2週間以上あけて、2回接種が必要です(3~4週間後をお勧めします)。
母子手帳をご提出ください。


【3歳以上 13歳未満 】
           バイアルタイプ      3000円     
2週間以上あけて、2回接種が必要です(3~4週間後をお勧めします)。
小児は母子
手帳をご提出ください。


【13歳以上】
          バイアルタイプ     3000円 
原則として1回接種です
※ 一般に、13歳以上では1回接種で十分な免疫が得られるとされています。
但し、13歳以上でも基礎疾患(慢性疾患)のある方で、著しく免疫が抑制されている状態にあると考えられる方などは、医師の判断で2回接種となる場合があります。

 

ワクチンは数に限りがある貴重なお薬で、また瓶の製剤の場合、一度開封してしまうと保存することができません。大事なワクチンが無駄にならないよう、窓口で予約していただくことをお勧めいたします(予約がなければ接種が受けられないということではありませんが、確実に接種を受けていただけるためには予約をお勧めいたします)。

また、体調を崩したり、都合が悪くなって予約をキャンセルされる際には、早めにご連絡いただけますと、貴重なワクチンが無駄にならずに済みます。御協力のほどを宜しくお願いいたします。

その他、インフルエンザの予防接種に関するお問い合わせは、遠慮なく、当院の診察時間にお電話でお願いいたします。

http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/qa.html
(厚生労働省のホームページ)


 

【公費助成を受けられる方】

 平成28年11月1日~29年1月31日

・下記に該当する方は、公費助成が受けられます。
・氏名・年齢・住所を確認できる身分証明書や、必要な手帳をお持ちでない場合には、公費助成は受けられません。
・必要書類をお忘れの方は、持参のうえで再来院をお願いいたします。インフル公費5

  窓口での負担は、(1,300円)です。


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非課税世帯の方でも、生活保護世帯以外の方は有料になります。
期間外の接種は、対象外となりますのでご注意ください。
苫小牧市に住んでいても、苫小牧市に住民登録が無い場合は対象外となります。
市外の医療機関で接種したときなど、全額自己負担で接種された方への補助はありません。

 

【秋の花粉症が始まっています】

院長の黒田です。
 
今年は、あっという間に夏が終わり、早くも秋の気配です。
急に気温が下がり始め、雨上がりには秋の花粉が飛散しています。
そして、「くしゃみ」「鼻水」「鼻づまり」「目のかゆみ」で来院される方が増えています。
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牧草(イネ科の「カモガヤ」)の花粉は、初夏の6月だけでなく、9月にも飛散します。苫小牧とその周辺地域では、牧草がたくさん生えていて、住宅地の中でもよく見かけます。
以下の写真のように、イネの穂のような形が特徴的です(グラフと写真は、クリックすると拡大表示されます)。
そろそろ飛散が始まりますので、自分が「牧草の花粉症」だと分かっている方は、そろそろ要注意です。
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   (道立衛生研究所のHPより)            カモガヤ



「ヨモギ」は、既に飛散が始まっています。カモガヤと違って、飛散する範囲が割と限定されているのが特徴です。家の近くにヨモギが生えている方は、「くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ」といった症状が出てきており、来院されて治療を開始しています。
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       (同上)                   ヨモギ



「ブタクサ」も、秋に花粉を飛ばします。飛散時期は、ヨモギとほとんど同じです。
ヨモギと同じ「キク科」の植物なので、葉の外観はヨモギと全く同じです。
夏頃になると、花の付き方に明らかな差が出てくるので「ヨモギ」と「ブタクサ」の区別がつくようになります。
 ブタクサpixta
       ブタクサ


季節の変わり目の症状は「風邪」ではなく、「アレルギー」かもしれません。
この時期の、「くしゃみ」「鼻水」「鼻づまり」「目のかゆみ」などがある場合には、花粉症の可能性を考えて、耳鼻咽喉科専門医での検査と治療をお勧めいたします。
 
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【医療機関のホームページ】


こんにちは。
院長の黒田です。

土日は、久しぶりに青空が広がったので外出しましたが、もはや真夏の暑さでは無く、秋空の雰囲気でした。赤とんぼが沢山飛び交う様子に、秋の到来をひしひしと感じました。
 
さて、今回は、いつもの、「病気」のお話ではありません。
このブログをご覧の方は、スマートフォンや、PC、モバイル端末をお使いの方でしょうから、医療機関を選ぶ際には、インターネットで検索することが多いかと思います。
体調が悪くなった際には、キーワードを入れて、googleやyahoo等で検索されるのではないでしょうか。

(例)「苫小牧」「めまい」や、「腹痛」「発熱」などのキーワードを入力して調べる。
    その結果を見て、自分が受診したいと思った医療機関へ行かれるかと思います。
     ノートPC

 
 
そして、自分の病気や症状のことを調べてみようと思い、色んな医療機関のホームページを見ているうちに、最後には、自分の症状や病気が、その医療機関のみでしか治療できないような気持ちになったことは無いでしょうか?
 

スマホで閲覧1 スマホで閲覧2スマホで閲覧3
            

医療機関のホームページは、内容が充実している物が多く、患者さんが調べたい情報が豊富に揃っていることもありますが、ちょっと注意が必要です。何でも掲載して良いかというと、そうではありません。以下に政府広報のページからの転記を貼り付けていますが、医療機関のホームページには、「ガイドライン」という物があり、これに沿ったホームページでなければなりません。
掲載すべきでないものとして、以下があげられています。
 
(1)
【客観的事実ではないもの】

 (例)○○治療は、非常に効果があります ←人により効果は異なり、証明できません。

    ○○治療は、〇倍効きます ←人により効果は異なり、〇倍を科学的に証明できません。

    〇〇治療は、合併症や副作用がありません ←100%を保証する治療は無いでしょう。

(2)
【比較広告】(特定又は不特定の他の医療機関と自らとを比較し、優良である旨を示す表現)

 (例)〇〇治療を行えるのは、当院だけです。 ← 他では行えない事を証明できない。
                        
    〇〇施設があるのは、当院だけです。 ← 同上
 
(3)
【医療機関にとって都合の良い情報などの過度の強調】

  (例)「他の病院では治らなかったのに、〇〇医院の〇〇治療を受けたら、治りました。」

             ← 他の医療機関での治療の効果が出てきたのかもしれません。
                       自然に治る病気もあります。本当に〇〇治療の効果でしょうか。
               架空の人物の体験談で、病気が治るような誤解を招いてはいけません。
               全員が治るのでしょうか? 効果が無い人は皆無なのでしょうか?
 
(4)
【早急な受診を過度にあおる表現】
 
(5)
【科学的な根拠が乏しい情報に基づき、国民・患者の不安を過度にあおるなどして、医療機関への受診や特定の手術・処置などの実施を不当に誘導するもの】

(例)「〇〇注射を受けなければ、病気で後遺症が残ります。」 
    ← 客観的データが無く、不安をあおる内容。

   「〇〇治療は効果が高く、お勧めです」 
    ← 特定の手術・処置などの有効性を強調する誘導で、客観的データがありません。
 
(6)
【公序良俗に反するもの】
 
(7)
【医療法以外の法令で禁止されるもの】
 

以上です。
これは、私の個人的意見では無く、政府、厚生労働省が定めたものです。

当クリニックのホームページでは、このガイドラインを遵守して作成されています。
よって、客観的事実では無い表現は、使用していません
(「当院の〇〇で治療を受ければ治ります」や、「この医療機器は当院にしかありません」、「この治療を行えるのは当クリニックだけです」、「必ず〇〇します」、「最新の医療設備」、「最新の治療」など)。
 
「最新の治療法」や「最新の医療機器」であることが、医学的、社会的な常識の範囲で、事実と認められるものであれば、ホームページ上で「最新」と記載することは、必ずしも禁止されるものではありません。但し、登場してから何年までを最新と認めるか、等の基準を示すことが困難です。

また、ガイドライン上で記載すべきでは無い項目がたくさん出てくるようだと、問題があると思われます。
   サイトにビックリ2
 

医療の進歩はめざましく、最新の治療は日々開発されていますし、良い治療はどんどん取り入れられています。
ですから、私は自分のクリニックが一番優れているとは、決して思っていません。
 
開院して3年を迎えましたが、病気に対して真摯に向き合うよう改めて気を引き締めると同時に、「新しい知識」「新しい技術」から取り残されていかないよう、医学書を読んだり、学会・講習会・講演会に積極的に参加して研鑽を積むように心がけています。
そのために、休診日が生じたり、臨時的に受付時間の短縮をお願いしていることは、通院中の患者さんには、大変申し訳ないと感じております。
但し、学んだことは日々の診療に反映して、それに見合うだけの診療内容に高めていきたいと考えていますので、ご理解のほどをお願いいたします。
 
耳鼻咽喉科疾患とは、何ら関係の無い、非常に長い文章になりましたが、医療機関受診のお役に立つことができれば幸いです。
 
参考までに、以下に「政府広報オンライン」を貼り付けておきます。
医療機関のホームページ上に、ガイドラインで掲載すべきで無い内容が多数あり、その内容に疑問点がある場合には、参考にして頂けると幸いです。
    PCで驚く女性       PCで驚く男性

 

 

 
医療機関のホームページに掲載する表現はガイドラインに沿っていなければなりません
不適切な内容や表現を発見したら都道府県へ通報を

                               平成25年4月15日
 
医療機関のホームページについて、その記載内容と実際の受診時における説明や対応が異なるといったトラブルが問題となっています。そこで、受診する人の保護や正確な情報提供という観点から、平成24年9月に「医療機関ホームページガイドライン」が作成されました。医療機関のホームページの閲覧の際には、ガイドラインを参考にしながら、トラブルに巻き込まれないようにしましょう。

ホームページ上の不適切な表現をきっかけとした医療トラブルが発生

受診する医療機関を選ぶ際にはインターネットで情報を入手する、という方もいるのではないでしょうか。そのためには、医療機関からの正しい情報提供が不可欠です。
しかし、ホームページに掲載されている情報をきっかけとしたトラブルが発生しています。「『100%効果あり』とのうたい文句の点滴を受けたが効果がない」など、ホームページに掲載されている情報を契機としたトラブルも問題となっています。

広告規制の対象外となる医療機関のホームページ

医療は人の生命・身体に関わる極めて専門性の高いサービスである、という考え方から、受診する人の保護の観点に基づき、厚生労働省によって「医療広告ガイドライン」が既に作成されていました。客観性・正確性をみたすものについては、「(医療法の規制範囲内で)医療に関する広告」が認められています。

医療広告ガイドラインの概要
禁止される広告

• 広告が可能とされていない事項の広告
• 虚偽広告
• 比較広告
• 誇大広告
• 広告を行うものが客観的事実であることを証明できない内容の広告
• 公序良俗に反する内容の広告
• その他、薬事法などの他法令やそれに関連する広告の指針に抵触する内容の広告
 
但し、医療機関の「ホームページ」については、その情報を得ようとする方が自らアクセスして閲覧するなどの事情から、バナー広告等とリンクするものを除き、「広告」とは原則見なされていません。
しかし、医療機関のホームページに掲載されている情報を契機とするトラブルが発生しているため、虚偽・誇大な表現など不適切な情報提供による不当な誘引を防ぐとともに、客観的で正確な情報提供により国民・患者の皆さんが適切に内容を理解し、治療を選択できるように努めるという観点から、平成24年9月に、厚生労働省によって新たに「医療機関ホームページガイドライン(医療機関のホームページの内容の適切なあり方に関する指針)」が定められ、ホームページ上にある不適切な表現の改善を図ることとされました。

 

ホームページガイドライン

 

医療機関のホームページに「掲載すべき事項」「掲載すべきでない事項」
ホームページに掲載すべきではない事項の具体例は次のとおりとされています。

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 このガイドラインによって、医療機関ホームページ上における不適切な内容に対して、行政指導ができるようになりました。
皆さんも今後、不適切な情報に惑わされないために、医療機関のホームページがガイドラインに従った適切な表現であるかどうか、ご注意ください。
もし、疑わしいホームページがあれば、お住まいの都道府県の医療課や医務課にご相談ください。

(政府広報オンラインより)
 

夏風邪のヘルパンギーナが増えています。

こんにちは。
院長の黒田です。
 
お子さん達は夏休みが終わり、幼稚園や学校に通い始めているかと思います。大人もお盆休みが終わり、お忙しい毎日かと思います。
リオ・オリンピックが終わり、続々と台風が来て雨降りばかりの毎日で、夏らしくないですね。カラッと晴れた日が待ち遠しい8月です。
  
 
さて、従来はこちらの「ブログ」で、病気の流行状況などをご案内しておりましたが、昨年からは、より迅速で確実な情報伝達のために、「Facebook(フェイスブック)」を利用して、各種のご案内をしております。
しかし、全ての患者さんが「Facebook」を利用しているわけでは無く、また、インターネット自体を使用していない方も沢山いらっしゃるかと思います。
 
あらためて、こちらのブログにて情報発信をさせていただきますが、もし機会がありましたら、「Facebook」に登録して、当院のページに「いいね」のボタンを押してみてください。新しい情報や、臨時休診の案内、受付時間の変更案内などがあった際には、新着情報ありの「お知らせ」マークが出るので、見逃すことが少なくてお役に立てるかと思います。
 
下の「いいね!」のボタンをクリックして頂けると、以下の当クリニックのFacebookページに移動します(課金されたり、何かに登録されることはありませんので御安心ください)。
実際のページで、クリニック外観写真の直下にある「いいね!」を押すと、新着情報をチェックできるようになります。

 

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既に「Facebook」では、紹介させていただいてから日数が経ってしまいましたが、あらためて病気の情報をご紹介いたします。
昨年ほどではありませんが、今年も夏風邪の患者さんが増えています。
夏風邪と言えば、「ヘルパンギーナ」「手足口病」「咽頭結膜熱」の3つが有名です。
 
ヘルパンギーナは、主にコクサッキーA型ウイルスによる感染症ですが、その他のウイルスが原因となることがあります。
「おたふく風邪」や「水疱瘡(みずぼうそう)」とは異なり、一度罹患(りかん)しても何度も繰り返して罹患することがあります。原因ウイルスが複数存在するために、終生免疫を得るのが難しいからです。
症状の多くは、38-39℃の高い発熱です。咽頭痛を伴うこともあります。
下の写真の様に口蓋垂(のどちんこ)の周りに水疱(すいほう)を認めることで、診断されます。

 
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子供でもしっかり口を開けてくれる場合には、このようにはっきりと確認できます。
 
 

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この患者さんは、「扁桃炎でのどが痛い」とのことで来院されましたが、扁桃には異常が無く、ヘルパンギーナの診断となりました。扁桃に近い場所の病変なので、自覚症状だけでは区別が難しいですね。
 
 

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乳幼児だと、「のどが痛い」と言ってくれず、発熱と食欲低下のみで、保護者の方も困ってしまうことがあります。この子供さんも、発熱と元気が無いとのことで来院しましたが、「ヘルパンギーナ」と診断されました。
口を開けてくれなかったり、病変が小さい場合には、分かりにくいこともあります。しかし、しっかり開口すると、口蓋垂の周りに粘膜疹があるのが分かります。
 
 
「手足口病」でも同様の所見が見られますが、手足口病ではその名の通りに手や足などの全身に皮疹が出ることが特徴です。
「ヘルパンギーナ」と診断されても、後になってから手足に皮疹が出てきたために、「手足口病」と診断名が変わることも少なくありません。
今年は、当院に「手足口病」の患者さんは一人も来ていませんが、他の医療機関を受診している方がいるのかもしれません。
 
どちらも特効薬というのはありませんが、高熱があれば座薬や内服薬などでの解熱を行い、十分に水分を摂取して、安静にすることが大事です。
ウイルスが原因ですので、抗生物質は効きません(抗生物質は「細菌」には効果がありますが、「ウイルス」には無効です)。

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発熱は3日程度で落ち着くことが多いので、心配はありません。
また、感染を防ぐためには、手洗いやうがいをこまめに行うことが重要です。
 
保育所や幼稚園で流行することが多く、罹患した子供が家庭内で、更に感染を広げてしまうことがあります。ヘルパンギーナや手足口病と診断されても、登校・出席停止の義務や法律はありません。なので、まだウイルスを排出しているお子さんが、会話や咳などを通じて、集団生活の中で他の子供たちに感染を広げてしまうことが避けられないのです。
なので、診断を受けた場合には、マナーとしてマスクをつけて、更なる感染を広げない様にするのが良いと思います。夏場なのでマスクの装用は暑苦しいですし、義務もありませんが、周囲に対するエチケットと考えていただけると幸いです。

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特に小さな乳幼児が家庭にいる場合には、お兄ちゃん・お姉ちゃんから感染をもらわない様に、保護者の方が注意することが必要です(風邪症状のある子供には、手洗い・うがい・マスク装用をさせましょう)。
これらの夏風邪は、大人ではあまり見られませんが、免疫力の低下した大人にうつることもあります。ヘルパンギーナの子供さんを看病したお父さん・お母さんは、要注意ですね。
 
夏風邪症状でお困りの際にも、遠慮無く、耳鼻咽喉科専門医へご相談ください。